今回は、英国「Top Gear」による新型アウディ・A5の試乗レポートを日本語で紹介します。


A5

アウディ・A4から派生したクーペも2世代目となり、新型A5が誕生した。旧型からのデザインの変更点は非常に分かりづらいだろう。フロントグリルが大型化し、ヘッドランプがややテスラ風になった点を除けば、ほとんど変わっているところはない。しかし、変わらないことを喜ぶ顧客も多いはずだ。

中身に目を向けると、ベースとなっているのはフォルクスワーゲングループのMSBプラットフォームで、旧型比で60kgの軽量化を実現しており、アウディ最新の自動運転技術も投入されている。4気筒モデルからV6エンジンを搭載するS5に至るまで、搭載されるエンジンはすべてターボエンジンとなる。

BMW 4シリーズと比べると、走行性能では負けている。V6モデルは非常にフロントヘヴィーで俊敏とは言い難く、ドライバーに笑顔をもたらすような車ではない。それよりも軽い4気筒モデルはより俊敏で応答性も高いのだが、それでも特別優秀なわけではない。

rear

S5は4WDシステム「クワトロ」のおかげでトラクションやグリップが豊富なので、簡単にスピードを出すことができるのだが、やはり楽しさには欠けている。運転を楽しみたいなら、メルセデスAMG C43を選んだほうがいいだろう。

ダッシュボードはA4セダンと共通だ。誤解しないでほしいのだが、A4と共通のダッシュボードを採用しているのは決して悪いことではない。A4のダッシュボードデザインはかなり優秀だし、質感や操作系の扱いやすさも秀でている。

走行時の静粛性も非常に高く、快適性はA4やQ7同様、非常に高い。それでも文句を言うなら、運転席の着座位置は少し高すぎるように思うし、リアシートは非常に窮屈だ。TTのリアシートよりかろうじて広い程度の空間しかない。

interior

最も経済性の高いモデルは2.0 TDIで、中でも最廉価グレードの「SE」は33,050ポンドだ。燃費は24.4km/L、CO2排出量は107g/kmで、メルセデス・ベンツ C220dクーペやBMW 420dとほとんど変わらない。3ゾーンオートエアコンや7インチスクリーン、クルーズコントロールは標準装備となる。ただし、ナビゲーションシステムやバーチャルコックピットはオプションだし、非常に高い。

走行性能は至って無個性なのだが、素晴らしいデザインは魅力だ。見た目は旧型とそれほど変わらないものの、確実に進化を遂げている。


The Top Gear car review: Audi A5