今回は、英国「Auto Express」によるボルボ・V70の試乗レポートを日本語で紹介します。


※内容は2004年当時のものです。


V70

ボルボ・V70は交通課の警察官にぴったりの車だ。新型V70は旧型よりも乗員の腰に優しい。新型V70のシートは従来よりも柔らかく、そして大きくなっており、長時間座っていても快適だ。真面目な話、これまで乗ってきた数多くの車の中でもトップクラスに快適だった。

変わったのはシートだけではない。2007年には次期型が登場する予定だが、それまでの間も古臭く見えないよう、モデル途中のフェイスリフトが施されている。ボルボらしく変化は保守的だ。変わった場所は数多くあるのだが、一目見て分かるほどの劇的な変身はしていない。

最も分かりやすい違いはフロントグリルとバンパーだろう。ノーズがヘッドランプの形状に合わせて後傾形状となり、また「SE」グレードではバンパーにメッキのアクセントが追加された。また「Sport」にはボディ同色のパーツが用いられ、他グレードと差別化されている。

17インチアルミホイールやテールランプのデザインも変更され、ボディカラーも見直されている。インテリアはシート以外にもコンソール、ステアリング、メーターのデザインがわずかに変更されている。ダッシュボードは従来の魅力はそのままに、質感がさらに改善している。インテリアの快適さやクリーンさに関しては、ドイツ車よりも先を行っているほどだ。

rear

荷室は変わらず広いし使いやすく、よく考えられている。ゴミ袋用のホルダーや買い物袋用のフック、ボトルホルダーも付いているし、リアシートは素早く簡単にフラットに畳むことができる。三角コーンやスピードガン、蛍光ジャケットも存分に詰め込むことができるだろう。

エンジンの最高出力は10PS向上しており、スピード違反車両も追いかけやすくなっている。5気筒ターボのT5エンジンは排気量が2.3Lから2.4Lまで増加しており、最高出力は264PSを誇る。加速はより軽やかになり、最高速度はリミッターが効いて250km/hだ。イギリスの交通警察のパトカーには十分な速さだろう。

アクティブシャシ「FOUR-C」によってパフォーマンスはさらに高まってる。これは2,100ポンドのオプションで、これを装備するとサスペンションのモードを「Comfort」と「Sport」から選ぶことができる。前者を選べば良質なシートの心地よさを楽しむことができるし、後者を選べばV70が交通警察モードに変貌し、足回りが硬くなってシャシの応答性が高まる。

interior

また、今回はボルボのブラインド・スポット・インフォメーション・システム (BLIS) も試した。死角を走行する車を探知するとドアミラーが光るため、車線変更をより安全に行うことができる。非常に便利なので、標準で付いてくるのは嬉しい。

V70は非常に優秀なステーションワゴンだし、数多くの改良が施された新モデルはさらに魅力を増している。特別楽しいモデルではないのだが、仕上がりも素晴らしいし、なにより快適性は非常に高い。


Volvo V70 (2004) review