今回は、英国「Auto Express」による初代トヨタ・ヤリス(日本名: ヴィッツ)の試乗レポートを日本語で紹介します。
※内容は2003年当時のものです。

コンパクトカーのモデルサイクルは基本的に短い。競争が激しいため、どれだけ実力の高いモデルであろうとも常に改良を重ねていく必要がある。トヨタ・ヤリスの革新的デザインは登場から4年が経過した今となってもなお古臭さを感じないのだが、それでも続々と登場するライバルに対抗するため、いくらか改良が施された。
デザイン面での最大の変化はヘッドランプだろう。従来よりもはっきりとした涙目形に変わっている。ほかに前後バンパーのデザインも変わっているのだが、基本的に見た目はさほど変わっていない。普通、マイナーチェンジで真っ先に犠牲になるのはホイールなのだが、ヤリスのホイールデザインは1999年の登場以来変わっていない。
むしろ大きく変わったのは中身のほうだ。サスペンションの改良によってハンドリング性能の高さを維持しつつ、乗り心地が改善している。室内空間の広さを求める人はヤリスヴァーソ(日本名: ファンカーゴ)を選ぶべきだろう。ヤリスヴァーソにもヤリスと同じような改良が施されている。
エンジンは従来と変わらず1.0L, 1.3L, 1.5Lガソリンエンジンと1.4L D-4D ディーゼルエンジンが設定されるのだが、そのうち1.3Lユニットは設計が刷新されており、トルクと燃費性能が改善している。今回試乗した1.0LモデルにはオプションのMMT(マルチモードマニュアルトランスミッション)が備わっていた。
従来のクラッチレスMTとは違い、MMTにはHゲート式のセレクターではなく、シーケンシャルシフトレバーが使われている。シフトレバーを使うのが嫌なら完全なオートモードにすることもできるのだが、特に低速走行時にはギクシャクしがちだ。マニュアル変速すればその問題はなくなるのだが、いずれにしても変速が鈍いのは残念だ。MMTの追加費用は400ポンドと高くはないのだが、普通のMTを選んだほうがいいだろう。

また、最高出力65PSの1.0Lエンジンもあまり選ぶべきではない。MMTモデルの0-100km/h加速はマニュアルモードで13.6秒で、これはMTの値と変わらないのだが、オートモードにすると15.8秒となってしまう。それに、最高速度はわずか154km/hだ。
経済性は非常に高い。MTモデルの燃費は17.8km/Lなのだが、最適な回転数で変速をするMMTだと、燃費が18.5km/Lまで改善する。また、CO2排出量が134g/kmから129g/kmに減るため、税制面でも有利となる。グレード構成は従来よりシンプルになって、6種類から4種類に減った。エントリーグレードが「T2」で、中間グレードが「T3」、そして上級グレードが「T Spirit」となる。そして、スポーティー志向の最上級グレードが「T Sport」だ。
装備内容は豊富だし、インテリアの質感も一部改善しているので、コストパフォーマンスも高くなっている。ちなみに、上級グレードの「T Spirit」にはアルミホイールやパワーウインドウ、電動ドアミラー、エアコンが標準装備される。
結局、ヤリスは買って満足できる車なのだろうか。MMTはさほど優秀なわけではないのだが、乗り心地は良くなったし、ラインアップが整理されたことで購入するときに無駄に悩むこともなくなるだろう。まだ足りないところもあるものの、ヤリスはパッケージングも優れているし、経済性も信頼性も高い。
Toyota Yaris
※内容は2003年当時のものです。

コンパクトカーのモデルサイクルは基本的に短い。競争が激しいため、どれだけ実力の高いモデルであろうとも常に改良を重ねていく必要がある。トヨタ・ヤリスの革新的デザインは登場から4年が経過した今となってもなお古臭さを感じないのだが、それでも続々と登場するライバルに対抗するため、いくらか改良が施された。
デザイン面での最大の変化はヘッドランプだろう。従来よりもはっきりとした涙目形に変わっている。ほかに前後バンパーのデザインも変わっているのだが、基本的に見た目はさほど変わっていない。普通、マイナーチェンジで真っ先に犠牲になるのはホイールなのだが、ヤリスのホイールデザインは1999年の登場以来変わっていない。
むしろ大きく変わったのは中身のほうだ。サスペンションの改良によってハンドリング性能の高さを維持しつつ、乗り心地が改善している。室内空間の広さを求める人はヤリスヴァーソ(日本名: ファンカーゴ)を選ぶべきだろう。ヤリスヴァーソにもヤリスと同じような改良が施されている。
エンジンは従来と変わらず1.0L, 1.3L, 1.5Lガソリンエンジンと1.4L D-4D ディーゼルエンジンが設定されるのだが、そのうち1.3Lユニットは設計が刷新されており、トルクと燃費性能が改善している。今回試乗した1.0LモデルにはオプションのMMT(マルチモードマニュアルトランスミッション)が備わっていた。
従来のクラッチレスMTとは違い、MMTにはHゲート式のセレクターではなく、シーケンシャルシフトレバーが使われている。シフトレバーを使うのが嫌なら完全なオートモードにすることもできるのだが、特に低速走行時にはギクシャクしがちだ。マニュアル変速すればその問題はなくなるのだが、いずれにしても変速が鈍いのは残念だ。MMTの追加費用は400ポンドと高くはないのだが、普通のMTを選んだほうがいいだろう。

また、最高出力65PSの1.0Lエンジンもあまり選ぶべきではない。MMTモデルの0-100km/h加速はマニュアルモードで13.6秒で、これはMTの値と変わらないのだが、オートモードにすると15.8秒となってしまう。それに、最高速度はわずか154km/hだ。
経済性は非常に高い。MTモデルの燃費は17.8km/Lなのだが、最適な回転数で変速をするMMTだと、燃費が18.5km/Lまで改善する。また、CO2排出量が134g/kmから129g/kmに減るため、税制面でも有利となる。グレード構成は従来よりシンプルになって、6種類から4種類に減った。エントリーグレードが「T2」で、中間グレードが「T3」、そして上級グレードが「T Spirit」となる。そして、スポーティー志向の最上級グレードが「T Sport」だ。
装備内容は豊富だし、インテリアの質感も一部改善しているので、コストパフォーマンスも高くなっている。ちなみに、上級グレードの「T Spirit」にはアルミホイールやパワーウインドウ、電動ドアミラー、エアコンが標準装備される。
結局、ヤリスは買って満足できる車なのだろうか。MMTはさほど優秀なわけではないのだが、乗り心地は良くなったし、ラインアップが整理されたことで購入するときに無駄に悩むこともなくなるだろう。まだ足りないところもあるものの、ヤリスはパッケージングも優れているし、経済性も信頼性も高い。
Toyota Yaris
C-HRの海外試乗記はありますか?
借りて1日乗ったのですが、ハーシュネスの悪さが気になりました。
サスペンションが突っ張ったような感じでした。
他は良かったです。
是非読みたいです。