今回は、インド「NDTV」によるホンダ・WR-Vの試乗レポートを日本語で紹介します。

ホンダはWR-Vを「スポーティー・ライフスタイル・ビークル」と呼び、クロスオーバーSUVかSUVかは明言していない。そのあたりの判断も含めて、実際に車を見てみることにしよう。WR-Vは4m未満ではあるのだが、全長はジャズ(日本名: フィット)よりも4mm長い。サイズ感はほとんど変わらないのだが、実寸では違う。見た目もジャズとは少し違うのだが、サイドのキャラクターラインはジャズとまったく同じだ。
デザイン上の最大の違いはフロントだ。フェンダーやドアはジャズと共通なのだが、ボディにプロテクターが追加されている。また、LEDデイライトは標準装備となっている。価格設定は2017年3月16日に発表される予定だ。リアもジャズとは大きく異なり、テールゲートやバンパーのデザインが変わっている。
つまり、WR-VはクロスオーバーSUVに分類できるだろう。WR-Vのベース車はジャズなのだが、改善点は多数ある。一例を挙げると、高張力鋼板がボディ中央部に追加使用されており、衝撃吸収性が向上している。フロントサスペンションも強化されているし、リアバンパービームの設計も変更されており、衝突安全性が向上している。ホンダ・カー・インディアの担当者によると、社内で行われた衝突試験では高い安全性が示されているそうだ。また、剛性も向上しているそうだ。
高張力鋼板の使用により車重はジャズよりも50kg重くなっている。それだけでなく、全長(4mm)、全高(51mm)、全幅(40mm)のすべてにおいてジャズより長く、ホイールベースも25mm延長している。当然、最低地上高はジャズの165mmに対してWR-Vは188mmまで増加している。

2016年11月に開催されたサンパウロモーターショーでWR-Vが発表されたのだから、普通ならブラジルで最初に発売されそうなものだが、WR-Vが最初に発売されるのはここインドだ。しかも、製造もインド国内で行われる。開発や設計もインドの研究開発チームの主導で行われた。
見た目を良くするために大径の16インチホイールが装着されているが、これはインドの開発チームの発案によるものだ。190/60R16タイヤはWR-Vに似合っているし、サスペンションが専用チューニングとなっているため、乗り心地もさほど悪くはない。サスペンションロアアームおよびナックルの剛性も向上しており、悪路を走行してもそれほど揺すられない。安定性も高く、非常に快適だ。サスペンションのセッティングは硬すぎず柔らかすぎずで適切だし、路面の衝撃もしっかり吸収してくれる。
WR-Vにはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方が用意される。まず1.5Lディーゼルに試乗したのだが、このエンジンの出力およびトルクはジャズのそれとまったく同一で、最高出力100PS、最大トルク20.4kgf·mとなる。エンジンをかけるとかなりやかましく、ディーゼルエンジンであることがはっきりと分かる。回転数を上げていくと騒音はさらに大きくなる。遮音材がもっと多ければまだましなのだろう。ギア比は燃費性能重視のセッティングとなっているそうだ。その結果、WR-Vの燃費は25.5km/Lとなっている。フォード・エコスポーツの燃費が22.27km/L、スズキ・ビターラ ブレッツァの燃費が24.3km/Lであることを考慮すれば、なかなか優秀と言えるだろう。
ただし、走りには悪影響がある。変速を頻繁にする必要があるし、ディーゼル用の6速MTを経由して実際にタイヤに駆動力が伝わるまでには少し遅れがある。トルクの数字は大きいのだが、2,200rpmくらいまで回さないと十分な力は発揮されない。特に登り坂ではそれが気になった。平地だと大きな不満はないのだが、加速までの遅れははっきりと感じ取れる。カタログスペックだけ見るとかなり優れていることを考えると、なおのこと残念だ。

最高出力90PSの1.2Lガソリンエンジンもジャズと共通だ。パワーバンドの下のあたりだとかなり元気が良い。ただ、パワーバンドを超えてしまうとフラットになってしまうため、そこからさらに加速するためにはシフトダウンしなければならない。ただ、クラッチも軽いし、ストレスなく変速することができる。ガソリン車には5速MTが組み合わせられる。このMTは滑らかに操作できるのだが、シフトレバーが小さいため、少し握りにくい。ちなみに、CVTの追加予定は現時点ではないそうだ。
室内は広く、文句のつけようがない。前席のレッグルーム、ニールーム、ヘッドルームにはかなり余裕があるし、リアシートも非常に快適だ。それでも粗探しをするなら、シートのクッションが少し柔らかすぎる点や、リア用のエアコン吹き出し口がない点を挙げておこう。グラスエリアが広いため、室内はなおのこと広く感じられる。CピラーとAピラーにはそれぞれ小さなクォーターガラスがあり、視界を改善しているだけでなく、このおかげで開放感も増している。
装備内容も豊富だ。試乗車は最上級グレードの「VX」で、サンルーフや7インチ「Digipad」ナビゲーションシステム(メモリ1.5GB、オプションでWi-Fi機能追加可能)、バックカメラが付いていた。Bluetooth連携機能やUSBポート(2個)、HDMI端子も付いており、MirrorLinkにも対応している。ディーゼルモデルにはプッシュエンジンスターターやスマートキー、クルーズコントロールも装備されていた。安全装備も充実しており、ABS、EBD、デュアルエアバッグは標準装備となる。
WR-Vには必要なものがすべて備わっている。ただ、詳細な内容については未発表な部分もあるし、なにより価格は重要だ。装備内容を考えるとそこそこの値段になるかもしれない。WR-VがBR-Vとジャズの間に入ることを考えると、ガソリンモデルが70万ルピー、ディーゼルモデルが90万ルピー程度になると予想される。ただ、ホンダいわく、価格はかなり抑えられているそうだ。70万ルピーを下回る値段になるとかなり面白くなるだろう。
Honda WR-V First Drive Review

ホンダはWR-Vを「スポーティー・ライフスタイル・ビークル」と呼び、クロスオーバーSUVかSUVかは明言していない。そのあたりの判断も含めて、実際に車を見てみることにしよう。WR-Vは4m未満ではあるのだが、全長はジャズ(日本名: フィット)よりも4mm長い。サイズ感はほとんど変わらないのだが、実寸では違う。見た目もジャズとは少し違うのだが、サイドのキャラクターラインはジャズとまったく同じだ。
デザイン上の最大の違いはフロントだ。フェンダーやドアはジャズと共通なのだが、ボディにプロテクターが追加されている。また、LEDデイライトは標準装備となっている。価格設定は2017年3月16日に発表される予定だ。リアもジャズとは大きく異なり、テールゲートやバンパーのデザインが変わっている。
つまり、WR-VはクロスオーバーSUVに分類できるだろう。WR-Vのベース車はジャズなのだが、改善点は多数ある。一例を挙げると、高張力鋼板がボディ中央部に追加使用されており、衝撃吸収性が向上している。フロントサスペンションも強化されているし、リアバンパービームの設計も変更されており、衝突安全性が向上している。ホンダ・カー・インディアの担当者によると、社内で行われた衝突試験では高い安全性が示されているそうだ。また、剛性も向上しているそうだ。
高張力鋼板の使用により車重はジャズよりも50kg重くなっている。それだけでなく、全長(4mm)、全高(51mm)、全幅(40mm)のすべてにおいてジャズより長く、ホイールベースも25mm延長している。当然、最低地上高はジャズの165mmに対してWR-Vは188mmまで増加している。

2016年11月に開催されたサンパウロモーターショーでWR-Vが発表されたのだから、普通ならブラジルで最初に発売されそうなものだが、WR-Vが最初に発売されるのはここインドだ。しかも、製造もインド国内で行われる。開発や設計もインドの研究開発チームの主導で行われた。
見た目を良くするために大径の16インチホイールが装着されているが、これはインドの開発チームの発案によるものだ。190/60R16タイヤはWR-Vに似合っているし、サスペンションが専用チューニングとなっているため、乗り心地もさほど悪くはない。サスペンションロアアームおよびナックルの剛性も向上しており、悪路を走行してもそれほど揺すられない。安定性も高く、非常に快適だ。サスペンションのセッティングは硬すぎず柔らかすぎずで適切だし、路面の衝撃もしっかり吸収してくれる。
WR-Vにはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方が用意される。まず1.5Lディーゼルに試乗したのだが、このエンジンの出力およびトルクはジャズのそれとまったく同一で、最高出力100PS、最大トルク20.4kgf·mとなる。エンジンをかけるとかなりやかましく、ディーゼルエンジンであることがはっきりと分かる。回転数を上げていくと騒音はさらに大きくなる。遮音材がもっと多ければまだましなのだろう。ギア比は燃費性能重視のセッティングとなっているそうだ。その結果、WR-Vの燃費は25.5km/Lとなっている。フォード・エコスポーツの燃費が22.27km/L、スズキ・ビターラ ブレッツァの燃費が24.3km/Lであることを考慮すれば、なかなか優秀と言えるだろう。
ただし、走りには悪影響がある。変速を頻繁にする必要があるし、ディーゼル用の6速MTを経由して実際にタイヤに駆動力が伝わるまでには少し遅れがある。トルクの数字は大きいのだが、2,200rpmくらいまで回さないと十分な力は発揮されない。特に登り坂ではそれが気になった。平地だと大きな不満はないのだが、加速までの遅れははっきりと感じ取れる。カタログスペックだけ見るとかなり優れていることを考えると、なおのこと残念だ。

最高出力90PSの1.2Lガソリンエンジンもジャズと共通だ。パワーバンドの下のあたりだとかなり元気が良い。ただ、パワーバンドを超えてしまうとフラットになってしまうため、そこからさらに加速するためにはシフトダウンしなければならない。ただ、クラッチも軽いし、ストレスなく変速することができる。ガソリン車には5速MTが組み合わせられる。このMTは滑らかに操作できるのだが、シフトレバーが小さいため、少し握りにくい。ちなみに、CVTの追加予定は現時点ではないそうだ。
室内は広く、文句のつけようがない。前席のレッグルーム、ニールーム、ヘッドルームにはかなり余裕があるし、リアシートも非常に快適だ。それでも粗探しをするなら、シートのクッションが少し柔らかすぎる点や、リア用のエアコン吹き出し口がない点を挙げておこう。グラスエリアが広いため、室内はなおのこと広く感じられる。CピラーとAピラーにはそれぞれ小さなクォーターガラスがあり、視界を改善しているだけでなく、このおかげで開放感も増している。
装備内容も豊富だ。試乗車は最上級グレードの「VX」で、サンルーフや7インチ「Digipad」ナビゲーションシステム(メモリ1.5GB、オプションでWi-Fi機能追加可能)、バックカメラが付いていた。Bluetooth連携機能やUSBポート(2個)、HDMI端子も付いており、MirrorLinkにも対応している。ディーゼルモデルにはプッシュエンジンスターターやスマートキー、クルーズコントロールも装備されていた。安全装備も充実しており、ABS、EBD、デュアルエアバッグは標準装備となる。
WR-Vには必要なものがすべて備わっている。ただ、詳細な内容については未発表な部分もあるし、なにより価格は重要だ。装備内容を考えるとそこそこの値段になるかもしれない。WR-VがBR-Vとジャズの間に入ることを考えると、ガソリンモデルが70万ルピー、ディーゼルモデルが90万ルピー程度になると予想される。ただ、ホンダいわく、価格はかなり抑えられているそうだ。70万ルピーを下回る値段になるとかなり面白くなるだろう。
Honda WR-V First Drive Review
コンパクトSUVって帯に短し襷に長しだと思うのは私だけでしょうか?