今回は、カナダ「Driving」によるインフィニティ・G35x(日本名: スカイライン)の試乗レポートを日本語で紹介します。


G35

V35型インフィニティ・G35のインテリアの質感はあまり満足の行くものではなかった。プラットフォーム、パワートレイン、サスペンションにはお金がかかっているのだろうが、インテリアデザインにはあまり予算が使われなかったのではないだろうか。

新型は大きく変貌している。ボディデザインは大胆になり、パワートレインも刷新され、インテリアも高級車の名に恥じないものとなった。質感も高いし、シートの出来も良く、装備内容も豊富だ。

ベースグレードも装備が充実している。さらにナビゲーションパッケージを選択すれば、電動チルト&テレスコピックステアリング、10スピーカーBOSEオーディオシステム、HDDナビも装備される。

スポーツパッケージも設定されている。これを選択するとパドルシフトとスポーツシートが追加装備される。特にスポーツシートは出来が良く、標準のシートよりもホールド性が高い。

エンジンをかけると演出気味なエンジン音が聞こえてくる。最高出力310PS、最大トルク37.1kgf·m/5,200rpmで、2,000rpmで最大トルクの90%が発揮される。スペックも高いのだが、それ以上にエンジンと5速ATの相性の良さが魅力的だ。変速はきびきびしているし、変速のタイミングも適切だ。

パワートレインの優秀さは加速タイムにも出ている。0-100km/h加速は6.9秒で、80-120km/h加速は4.9秒だ。

唯一残念なのは発進加速だ。アクセルを緩く踏んだ場合、何かに邪魔されているかのような感覚がある。そのため、滑らかな加速をするのがかなり難しい。

rear

剛性感も高いため、ドライビングフィールは欧州車的だ。高速走行時の乗り心地も良いし、それでいて、ジャンクションなどで高速旋回しても安定している。ロールはほとんど起こらないし、アンダーステアも普通に走っている限りでは起こらない。競合車と比較しても非常に優秀だ。

P225/55R17タイヤやG35xの4WDシステムも安定性の高さに寄与している。アクセルを踏み込むと前後輪に駆動力が均等に配分される。センサーから送られる情報を元にホイールスピンを事前に防ぐため、タイヤが滑ることはほとんどない。速度が上がると前輪に駆動力が送られなくなるため、燃費も向上する。駆動力配分の変更は状況に応じてシームレスに行われる。

当然ながら、ABSやスタビリティコントロール、トラクションコントロールなどの電子制御も付いている。制動距離は短く、制動時の挙動も安定している。

V35型のもうひとつの弱点はラインアップの少なさにあった。インフィニティ最大のライバルでもあるBMWには、セダンやクーペだけでなく、ステーションワゴンやクロスオーバーSUVも用意されている。新型Gシリーズには最高出力335PSを誇るG37クーペがあるし、新たに登場したEX35はステーションワゴンとSUVのどちらの需要も満たせそうだ。

EX35とG35のエクステリアデザインにはちゃんと統一性があるし、インテリアに関してはほとんど同じで、装備内容もほとんど共通だ。シートアレンジはEX35のほうが充実しており、荷室スペースも広いのだが、ホイールベースはEX35のほうが短い。中身もG35とEX35でほとんど変わらないのだが、EX35の最高出力は301PSとG35にやや劣る。

新型G35の走行性能は確実に進化している。パワフルだし操作性も高く、それでいて乗り心地も犠牲にはなっていない。また、優秀な4WDシステムも用意されている。もちろん、今の時代に求められる快適装備や贅沢装備もちゃんと用意されている。


Car Review: 2007 Infiniti G35x