今回は、英国「Auto Express」によるプロドゥア・マイヴィの試乗レポートを紹介します。

Myvi

今では低価格な小型車がたくさんあるため、消費者の選択肢も豊富だ。しかし、プロドゥアというマレーシアの自動車メーカーが選ばれることはほとんどない。

プロドゥアにはイギリスで最も安価な自動車(4,792ポンドのクリサ)を販売しているという特徴があるにもかかわらず、イギリスにおいてプロドゥアの存在感はほとんどない。では、その状況はマイヴィの登場によって変わるのだろうか。

マイヴィの中身は実質的にダイハツ・シリオン(日本名: ブーン)であり、最高出力87PSの1.3Lガソリンエンジンが搭載される。しかも、価格は7,799ポンドで、ダイハツ版の姉妹車と比べると300ポンド以上安い。

ボンネットデザインが変更され、プロドゥアのバッジが付いた以外、マイヴィとシリオンはまったく同一だ。とはいえ、それはむしろ喜ばしいことだ。ボディサイズは日産・マイクラと同等なのだが、トールワゴン風のデザインとなっているため、実際よりも大きく見える。ノーズが短いのも小型車の空間効率を高めるためには理想的だし、リアウインドウがほぼ垂直なので後方視界も良好だ。

interior

室内の完成度も高い。収納スペースは数多く用意されていて実用的だし、見た目も悪くない。センターコンソールのレイアウトも綺麗だし、メーターは赤色基調となっている。それに、インテリア全体がシルバーとブラックのコントラストになっている点も好ましい。ただ、プラスチックの質感は欧州車のレベルには届いていない。

リアシートの広さは文句のつけようがない。リアシートに3人が乗車してもそれなりに快適に過ごすことができる。テールゲートを開くと十分な荷室が広がる。リアシートを立てた状態の荷室容量は225Lで、6:4分割可倒式リアシートを倒すと、荷室容量は630Lまで拡大する。

マイヴィの走りは必要十分であり、それ以上の性能はない。コーナーへの進入速度が高すぎればかなりのロールが起こるし、軽めのステアリングはフィードバックに欠けている。とはいえ、高速道路ではソフトな足回りが路面の衝撃を吸収してくれる。

rear

普通の状況ではパフォーマンスが不足することはない。0-100km/h加速は11.3秒で、最高速度は171km/hだ。ただし、高回転域になるとエンジンが粗くなるし、5速MTの感覚も曖昧だ。700ポンドのオプションのATを選択したほうがいいだろう。もっとも、燃費は18km/L近いので、他の欠点はそれほど気にならないかもしれない。

マイヴィはそれほど優秀なモデルとは言い難い。しかし、A地点からB地点への移動手段として考えるなら、それほど悪い車ではない。


Perodua Myvi