今回は、英国「Auto Express」によるクライスラー・クロスファイアの試乗レポートを紹介します。

※内容は2003年当時のものです。


Crossfire

イギリスには狭く曲がりくねった田舎道が多く、また燃料価格は非常に高いため、大西洋の向こう側からやって来たV8マッスルカーが人気を博することはなかった。しかし、クライスラーはそんな現状を打破し、イギリスで成功を収めようとしている。そんなクライスラーが生み出す新型車は欧州車をベースとしており、搭載するエンジンもより経済的なV6となっている。なかなか期待できそうじゃないか。

サスペンションチューニングは変更されており、アメリカ車ながらイギリス仕様車は右ハンドルとなっている。では、そんなクロスファイアはイギリスのスポーツカーファンの心を掴むことができるのだろうか。

メルセデス・SLKをベースとしたこの車は、外観デザインだけ見るとなかなか魅力的に思える。そのおかげか、販売開始初年におけるイギリス販売分はすべて売れてしまっている。それも当然だ。この車のエクステリアはまるでスーパーカーのごとく目を引く。

しかしながら、2シータースポーツカーの真価はステアリングを握ったときにこそ発揮される。この車の一つ目の問題はドライビングポジションだ。車格に対してステアリングが大きすぎるし、高さ調節もできない。とはいえ、メルセデスのパーツが数多く流用されているため、質感は一級品だ。

interior

実際に走り出してみると、クライスラーが何をしたかったのか理解に苦しむ。サスペンションは硬すぎて長距離移動には適さないし、かといって、他のライバル車と比べてもさしてスポーティーなわけではない。ただ、パフォーマンスに関しては文句なしだ。搭載されるのは18バルブ 3.2L V6エンジンで、アイドリング時には静かなのだが、アクセルを踏み込むと迫力のある音を聞かせてくれる。それに、この加速には中毒性がある。ただし、6速MTの挙動は少しぎこちない。

27,260ポンドという価格は、アウディのTT V6(29,155ポンド)よりは安いのだが、日産・350Z(日本名: フェアレディZ)より760ポンド高い。そんな微妙な価格設定ではあるが、この車にはイギリス人に受け入れられる素質があるだろう。


Chrysler Crossfire