今回は、英国「Auto Express」によるヒュンダイ・アイオニックとトヨタ・プリウスの比較試乗レポートを紹介します。


Ioniq vs Prius

かつては端役だったヒュンダイも今ではグローバル市場において存在感を放ちはじめ、ブランドイメージも大きく変わった。今やヒュンダイも低価格のコンパクトカーから上級志向のSUVに至るまでラインアップしており、そんな中、エコカー市場に殴り込みをかけるために登場したのがアイオニックだ。

アイオニックはイギリスで販売される初のヒュンダイ製ハイブリッドカーであり、プラグインハイブリッドモデルや純電気自動車も併売される。標準ハイブリッドモデルは1.6Lのガソリンエンジンと電気モーターを搭載し、低価格でありながら驚異的なカタログ燃費を叩き出している。言うまでもなく、ハイブリッドカーという概念はまったく新しいものではない。ハイブリッドカーの元祖とも言えるプリウスはアイオニックよりもずっと前に登場している。

アイオニックはプリウスよりも低価格だし装備内容も豊富だ。そんなアイオニックの挑戦に、果たしてプリウスは対抗できるのだろうか。


メディア
プリウスにオプション設定されるマルチメディアシステムには走行中にメールを音声で読み上げてくれる機能が付いており、Googleストリートビューにも対応している。ただ、携帯電話との連動性はアイオニックのほうが優れている。中間グレードの「Premium」より上のモデルは全車Android AutoおよびApple CarPlayに対応している。


トランスミッション
CVTに対するイメージはあまり良くないのだが、プリウスのCVTはそんな悪印象を振り払ってくれる。エンジンとモーターの切り替えも上手いし、加速も滑らかだ。応答性ではアイオニックに搭載されるDCTのほうが優れているのだが、時折ギクシャクすることもある。


カスタマイズ

ハイブリッドカーの購入層はあまり車のカスタマイズを好まない傾向にあるようだが、プリウスは好みに応じてさまざまなカスタマイズが可能だ。フォグランプ周辺やサイドシル、リアバンパーにメッキやピアノブラックのアクセサリーを付けるオプションもある。


結論

Winner: トヨタ・プリウス

ハイブリッドカーは基本的に高い燃費性能を誇るが、カタログ燃費でも実燃費でもプリウスがアイオニックを凌ぐ(カタログ燃費はアイオニック29.4km/Lに対してプリウス32.2km/L)。価格はプリウスのほうが高いのだが、室内空間はプリウスのほうが広い。ちなみに荷室は両者にほとんど差はない。パフォーマンスも十分だし、乗り心地はアイオニックより良い。4世代にわたる進化を経たプリウスは、最も完成度の高いハイブリッドカーと言えるだろう。

2nd: ヒュンダイ・アイオニック
アイオニックがヒュンダイ初のハイブリッド専用車であることを考慮すると完成度は高い。実用性も高いし、価格も安く、それでいて装備も豊富だ。しかし、プリウスに比べるとエンジンとモーターの協調がうまくいっていないし、快適性でもプリウスに劣る。しかしながら、いかに節約するかが一番重要なら、アイオニックを選ぶ手もあるだろう。


Hyundai Ioniq vs Toyota Prius