今回は、米国「MOTOR TREND」によるマツダ・MX-5(日本名: ロードスター) グローバルMX-5カップ参戦仕様車の試乗レポートを紹介します。


MX-5 Cup

心臓の鼓動が速まる。恐怖という感情によりアドレナリンが放出され、心拍数は150回/分ほどまで上昇する。

私はマツダ・レースウェイ・ラグナ・セカでマツダのNDをベースとしたグローバルMX-5カップカーを運転することになっている。私はかつて、このサーキットで旧型MX-5を走らせていた。ここでクラッシュしたこともあるし、ここで勝利を収めたこともある。

しかし、私は1年以上このサーキットで走っていない。そんな状況で、私は22人ものスタッフに見守られながらサーキットを走らなければならない。しかも、車にはVBOXデータロガーが搭載されており、今後の参考にするため、私の運転の一挙手一投足が記録されてしまう。

その日はレーシングドライバーのランディ・ポブスト氏がこのサーキットで走っていた。ポブスト氏はピットレーンに入って車から降りると、コークスクリューでコースアウトしたので路面に泥が残っているかもしれないという話をした。

彼の警告を心に留めつつ、私はFIAホモロゲーション準拠のロールケージをくぐって車内に乗り込み、エンジンを始動させた。生々しいエンジン音や排気管から漂う芳しい香りには不思議な魔力があった。不安はどこかへ消えてしまった。

ウォームアップのために2周ほど走ったあと、スタート/フィニッシュラインを超え、ターン2のブレーキングゾーン手前で5速に入れて全開走行に備えた。トランスミッションは滑らかかつ正確で、ヒール&トーを行って回転数を合わせるのも比較的簡単だった。2.0L直噴エンジンのスロットルレスポンスはほとんど瞬間的だ。低回転域ではNCよりもトルキーに感じるし、6,500rpmのレッドラインまで勇ましく回っていく。

この車はまさしくアスリートだ。電動パワーステアリングも予想以上に路面情報を伝えてくれる。路面のアンジュレーションが正確に伝わってくるので、車が実際以上に小さく感じられる。また、従来型よりも90kg軽量化されているため、従来よりも少し扱いやすい。特にコークスクリューでは違いがはっきりと感じられた。ブレンボ製ブレーキはフロントが4ピストン、リアが2ピストンで、制動力も十分だったし、ハードに使っても問題なかった。

この車は53,000ドルで手に入れることができる。これ以上に手頃なレーシングカーはなかなかない。それに、これほど快適にサーキットを走れる車もなかなかない。しかし、これは本物のレーシングカーだ。私の心臓はいまだ激しく拍動している。


Mazda MX-5 Global Cup Race Car Review: At Laguna Seca With the ND-Based Cup Car