今回は、英国「Car Magazine」によるランボルギーニ・ガヤルド LP550-2 バレンティーノ・バルボーニの試乗レポートを紹介します。


Balboni

ランボルギーニ・ガヤルド LP560-4は万人を満足させる車ではなかった。そんな中で新たに登場したのが、スペック的には劣る新モデルだ。それが限定車のLP550-2 バレンティーノ・バルボーニだ。このモデルにフロントドライブシャフトは存在せず、5.2L V10エンジンが生み出すパワーはすべて後輪に伝わる。

ランボルギーニが本物のドライバーズカーではないと主張する人達に対する反論として、この車はフェラーリ・458イタリアに真っ向勝負を挑む。もっとも、ランボルギーニを批判している人のうち、本当にランボルギーニに乗ったことがある人はどれくらいいるのだろうか。

バレンティーノ・バルボーニとは、最近ランボルギーニを退職したテストドライバーで、ミウラの時代からフェルッチオ・ランボルギーニの下で働いてきた。彼の41年間の貢献を象徴するこの特別仕様車は250台しか製造されない。バルボーニが手がけた車はほとんどが後輪駆動車だったことから、この特別仕様車も後輪駆動となった。

フロントドライブシャフトがなくなったことで、車重は30kg減って1,380kgとなっている。もっとも、これは乾燥重量で、一般的に用いられている重量表示に直すと1,480kgとなる。名前の通り、最高出力は560PSから550PSに下がっているのだが、それでもパワーウェイトレシオではLP560-4より優れている。ちなみに、最高出力が10PS下がっているのは、4WDモデルの威厳を保つためだ。

0-100km/h加速は公称3.9秒で、LP560-4より0.2秒遅い。これは、トラクション不足やパワー不足(最高速度は320km/h)に起因する。なんとも口惜しい。

interior

ともかく、パワーウェイトレシオではLP560-4に勝っているので、現実的には同等の速さを実現できる。ムルシエラゴに搭載されるV12エンジンと比べると、この直噴V10エンジンは非常にスムーズで、旧来的な6速MTにも見事に合っていた。MTのシフトチェンジは滑らかで、クラッチはファミリーカーと同じくらいに軽い。また、オプションでセミオートマチックトランスミッションのeギアを選択することもできる。

なにより、この車は扱いやすい。少なくともドライコンディションにおいては何の不満もない。新設計のピレリ P ZERO が生み出すトラクションは驚異的で、トラクションコントロールが介入することはほとんどない。公道でテールを滑らせるようなこともない。ただし、サーキットでは簡単にスライドさせることができる。バランスが良いので運転していて怖さを感じることもほとんどない。

M3のように普通のラウンドアバウトでドリフトすることはできないのだが、そんなことは気にもならない。ステアリングはフィールに満ちているし、ターンインは強烈だ。バルボーニは普通のガヤルドよりも圧倒的に車との一体感がある。運転に気を遣う必要はあるのだが、対価はそれに見合っている。

バルボーニの価格はLP560-4よりも2万ポンド近く高い163,245ポンドだ。バルボーニにはクリアエンジンフードやカーボンセラミックブレーキ(いずれもノーマル車ではオプション設定)が装備され、専用ストライプが入る。しかし、ブレーキフィールには違和感が残るし、eギアを装備すると430スクーデリアと同じくらいの価格になってしまう。これでは、458イタリアの対抗馬にはなれないかもしれない。


Lamborghini Gallardo LP550-2 Valentino Balboni (2009) review