今回は、英国「Auto Express」による新型 フォルクスワーゲン・ティグアンの試乗レポートを日本語で紹介します。


Tiguan

今後4年間でフォルクスワーゲンは新型SUVを続々と発売していく予定だが、その第一弾となるのが新型ティグアンだ。ティグアンが第一弾として選ばれたのは最も重要な位置を占めるモデルだからだ。旧型ティグアンはゴルフとポロに次いでイギリスで売れていた。

我々が新型ティグアンに試乗したのは今回が初めてではない。2月には雪の積もるスウェーデン北部で量産前のプロトタイプモデルに試乗している。しかし、オンロードでの試乗を行うのは今回が初めてだ。

ティグアンのようなファミリー向け5シータ—SUVに必要なのは、快適性・実用性・居住性の高さだ。コーナーを軽やかに駆けて運転を楽しみたいような人はゴルフを買うだろう。

上述した要素に関して、ティグアンはかなり優秀だ。車を運転して最初に感じたのは快適性の高さだ。オプションのアダプティブダンパーの寄与もあるだろう。普通に乗っていてもそれなりに乗り心地は良いし、コンフォートモードを選択すれば突き上げの角が取れてなお良い。操作性も悪くないし、ステアリングはフィール・重さともにちょうどいい。

ティグアンの全販売の実に95%がディーゼルモデルであり、試乗車(150PSの2.0Lディーゼルエンジンを搭載した4MOTIONモデル)が販売の大半を占めることになるだろう。このモデルはパフォーマンスも十分だし、燃費性能も17.7km/Lと優れている。

rear

4気筒ディーゼルエンジンはそれほど静かというわけではないのだが、遮音はしっかりされているし、低速域では非常にスムーズだ。これにはDSGが一役買っており、変速比が静粛性と燃費性能を優先したセッティングになっている。急加速時にはシフトダウンがワンテンポ遅れるようなこともあるのだが、基本的には滑らかで扱いやすく、ファミリーカーにはぴったりな性格だ。

フォルクスワーゲングループのMQBプラットフォームが採用されたことでパッケージングが改善しており、全高は従来よりも低くなっているにもかかわらず、ヘッドルームは増加している。リアシートには3人の大人がゆとりを持って座れるだけのレッグルームがある。

荷室容量は旧型よりも50L増加して520Lとなっている。また、リアシートを一番前までスライドさせると荷室容量は615Lとなる。リアシートを畳んだ場合、荷室容量は1,655Lまで拡大する。

室内の居心地は良いのだが、新鮮さはあまりない。今時の車としては至って普通のデザインなので、悪くはないのだが驚きもない。とはいえ、ヘッドアップディスプレイやオプションの液晶表示のメーターなど、細かい部分ではライバルとの差もつけている。

interior

ボディサイズに関しては、全幅、全長ともに日産・キャシュカイルノー・カジャーよりは大きく、マツダ・CX-5よりは小さい。旧型よりもボディサイズは拡大しているのだが、MQBプラットフォームを採用したことで車重は50kg軽量化しており、また、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンは最大で25%燃費性能が向上している。2016年内にはプラグインハイブリッドモデルの追加も予定されている。

モーターショーのステージ上でなくとも、新型ティグアンのデザインはよく映える。筋肉質で角ばっており、デザインを重視している現在の市場にも十分に通用するだろう。これまでのフォルクスワーゲンのデザインは概してさほど冒険的なわけでも大胆なわけでもなかったが、新型パサート以降のフォルクスワーゲンのデザインは従来よりも魅力を増しているように思う。そして、新型ティグアンにもそんなパサートのデザイン要素が応用されている。

デザインは非常に優秀なのだが、価格はそれなりに高価だ。今回試乗した中間グレード(150PS 2.0Lディーゼルの4WD・DSGモデル)でも30,480ポンドとかなり高い。

同じようなスペックのCX-5と比べると数千ポンドほど高いし、BMW X1やアウディ・Q3などといった高級モデルの価格帯にも近い。


New VW Tiguan 2016 review