今回は、英国「Auto Express」によるフィアット・124スパイダーの試乗レポートを日本語で紹介します。


124

はっきり言って、フィアット・124スパイダーの生い立ちは複雑だ。当初、マツダと合弁で製造される後輪駆動2シーターはアルファ ロメオから発売される予定だったのだが、後にフィアットから登場することになった。マツダ版である4代目MX-5(日本名: ロードスター)は昨年発売され、すぐにスポーツカーの頂点へと躍り出た。

2月に公表された124スパイダーのプロトタイプモデルはかなり出来が良く、MX-5を脅かすような実力を有していた。しかし、市販モデルも同じ実力を持っているのだろうか。今回は124スパイダーの市販モデルに初めて試乗した。

124とMX-5の最大の違いは成熟度だ。2台はシャシもサスペンションもトランスミッションも共通なのだが、フィアットはわずかな変更によって車のフィールをわずかに変えている。

マツダが自然吸気エンジンを採用している一方で、フィアットは1.4Lガソリンターボエンジンを使っている。最高出力は140PSで、MX-5の1.5Lモデルと2.0Lモデルのちょうど中間なのだが、マツダのエンジンに比べると成熟した印象だ。ターボは中回転域でよく効き、加速するためにもアクセルを微調整するだけでよく、よりリラックスして運転することができる。一方のMX-5の場合、速く走るためには全力を尽くさなければならない。

interior

ただし、フィアットのターボエンジンにはいくつか欠点がある。1.5LのMX-5と比べると経済性が悪いし、3,000rpm以下だとターボラグがあるので応答性が悪い。

とはいえ、ダッシュボード前方には遮音材が追加されているほか、フロントウィンドウにアコースティックガラスが採用され、リアウィンドウも厚くなっているため、快適性は改善している。また、インテリアには上質なプラスチックやレザーが使われているため、質感も高い。全体的にフィアットはマツダよりも上質だ。また、ステアリングのセッティングも変更されており、昔ながらのスポーツカーのような重さがある。

グレードは3種類設定される。下から、Classico, Lusso, Lusso Plusの3種類だ。エントリーグレードは19,495ポンドで、エアコンや本革シート、16インチアルミホイール、クルーズコントロール、7インチインフォテインメントシステム、キーレススタート、Bluetoothが装備される。最上級グレードは23,295ポンドで、アダプティブLEDヘッドランプ、LEDデイライト、雨滴感知式ワイパー、BOSEオーディオシステムが装備される。

rear

MX-5との価格差はそれなりにあるのだが、124のほうがよりプレミアムなモデルという位置付けのようだ。しかし、そう考えるとLSDの設定がない点は残念だ。MX-5の場合、2.0LモデルにLSDが標準装備されるのだが、124の場合、標準モデルよりも1万ポンド高いアバルトを選ぶほかない。

そうはいっても、フィアットはMX-5の良さをそのまま受け継ぎつつ、そこにイタリア車の魅力を注ぎ込んだ車を作り上げることに成功している。どちらが優れているのかを決めるのは難しいのだが、最終的な結論は個々人の好みに委ねるほかないだろう。


Fiat 124 Spider 2016 review