今回は、インド「Top Gear」によるダットサン・redi-GOの試乗レポートを日本語で紹介します。


redi-GO

ダットサンの新型ハッチバックのスタイリングは独特だ。もちろん好き嫌いはあるだろうが、フランス生まれの親戚であるルノー・クウィッド同様、redi-GOも一般的なハッチバックの定石からは外れている。シャープなデザインやアグレッシブな背の高いプロポーション、大胆なキャラクターラインのおかげで、redi-GOからは独特の個性が感じられた。

redi-GOはダットサン初の完全な新型車だ。というのも、GOやGO+は日産・マイクラ(日本名: マーチ)に手を加えただけの車に過ぎなかったからだ。しかし、redi-GOは完全な独自設計だ。基礎部分はクウィッドと共有しているものの、基本的には白紙から設計されている。

エクステリアデザインだけでなく、インテリアデザインも、走行性能も、動力性能もすべて称賛に値する。ダットサンによると、redi-GOは小型ハッチバックとクロスオーバーSUVを融合した都市型クロスオーバーだそうだ。我々は2日間この車に試乗し、この言葉がただの宣伝文句ではないということを理解した。搭載される799ccの3気筒ガソリンエンジンは低速域では元気があった。それに、ステアリングやクラッチは軽く、ボディサイズも小さく、回転半径はわずか4.7mなので、混み合った狭い道を走るのも容易い。

都市型という言葉は正しかったようだ。クロスオーバーという言葉に関しても、室内空間は広いし、地上高も高く、その要素を満たしている。背が高いため室内には開放感がある。フロントシートにはヘッドルーム・レッグルームが十二分にあるし、リアシートも平板ながら大人2人を乗せることができる。フロントシートはサポート性も高く、他の小型車と比べると長距離の移動は楽だ。最低地上高は185mmとクラス最高だ。我が国の悪路にもしっかりと対応してくれることだろう。それに乗り心地も良いため、都市型クロスオーバーという呼称はこの車にぴったりと言えそうだ。

rear

ただ、良いところばかりではない。0-100km/h加速15.9秒という数値は小型ハッチバックとしてはトップレベルなのだが、高速域でのエンジン音はかなりやかましく、しかも聞いてきて気持ちの良い音でもない。速度を増すごとに騒音は増していくし、振動も悪化してしまう。車の価格を抑えるため、おそらくはNVH性能が妥協されたのだろう。

幸い、質感に関してはあまり妥協されていないようだ。外装にしても内装にしても基本的に不満を感じる部分はない。操作系の配置も適切だし、ダッシュボードには収納スペースが豊富にあるし、価格帯を考慮すればプラスチックの質感にも問題は感じない。とはいえ、剥き出しのパネルがいくらかあるため、そこを敬遠する人はいるかもしれない。ただredi-GOには数多くのオプションが設定されることになっており、剥き出しのパネルを覆うカバーも登場する予定だそうだ。

走行性能に関しては、背の高さを考えれば低速域での安定性はかなり高い。コーナーでまったくロールしないというわけではないのだが、思っていたよりは優秀だった。それに、645kgとかなり軽いにもかかわらず、走っていて軽薄に感じることはない。車重が軽いので燃費性能もライバルに勝っており、カタログ燃費は25km/Lで、インドで販売されるガソリン車としては最高の燃費性能を誇る。

interior

安全性に関しては、ダットサンいわく衝突安全性を高めるために強度の高い材質を用いているそうだ。また、最上級グレードには運転席サイドエアバッグも装備される。ただし、ABSは装備されない。

基本的に街中を走るという用途を想定するなら、redi-GOは非常に適しているだろう。デザインも優れているし、扱いやすいし、着座位置が高いので見晴らしも良いし、走行性能もそれなりに良い。ところどころ改善を要するが、基本的には質感も高い。公式には価格が発表されていないのだが、聞くところによると25万から35万ルピー程度になるそうだ。つまり、クウィッドやアルト800よりも数千ルピー安くなるだろう。

では、ライバルを圧倒できるほどの実力はあるのだろうか。マルチスズキが毎月アルトを2万台以上売り上げているのにはれっきとした理由がある。それは信用だ。アルトの場合、リセールバリューや購入後の諸費用についてさほど心配する必要がない。ダットサンがそれに対抗したいなら、ただ優れているだけの製品では足りないだろう。


Review: Datsun redi-Go