今回は、英国「Auto Express」によるマクラーレン・650Sの試乗レポートを日本語で紹介します。


650S


マクラーレン・P1を購入できる幸運な375人に選ばれなかったとしても、P1のデザインや技術の流れを汲んでいるマクラーレン・650Sならきっと代わりになるだろう。

マクラーレンは既に12Cの生産を終了しており、650Sはそれに代わるマクラーレンのエントリーモデルとして登場した。エントリーモデルと言っても、最高出力は650PS、価格は20万ポンドだ。

P1風のフロントエンドはこけおどしではない。大型ラジエーターやサイドベントによりエンジンは効率的に冷却されるし、カーボン製フロントスプリッターによって240km/h以上におけるダウンフォースが40%向上している。

650Sを運転していると、この車より速い車など存在しないように思える。3.8LのツインターボV8エンジンはアクセルを踏み込んだ直後に全力を発揮するし、驚異的な速さと圧倒的な楽しさを兼ね備えている。0-160km/h加速は5.7秒でこなす。これはポルシェ・ケイマンの0-100km/h加速と同じだ。

エンジンはレッドゾーンの9,000rpmまで一気に吹け上がるため、タコメーターの針の動きが追いつかないほどだ。650Sの真価を確認するためにはサーキットを走る必要がある。ハードなコーナーを走ってみると、サスペンションの微調整の効果を実感することができる。

コーナリング性能を12Cよりも高めるため、650Sではサスペンションが強化されている。アンダーステアが発生しそうなタイトコーナーに入ったとしても、実際にはちゃんとグリップしてくれる。トラクション性能も非常に高く、アクセルを踏み込むタイミングが少し早くてもスピンすることはない。

車との一体感という側面ではフェラーリ・458スペチアーレに及ばないものの、速さや快適性ではマクラーレンの方が勝っていると思う。650Sではカーボンセラミックブレーキが標準装備となっており、ハードな走行時にはその恩恵が受けられる。ただし、街中を走るときにはブレーキペダルを強く踏まなければならない。

街中で集中せずにブレーキを踏んでいると、信号待ちでエンジンがブレーキに勝ってしまって車が徐々に前進してしまうことがある。7速のデュアルクラッチトランスミッションについても、高速域では完璧なのだが、街中では変速が思い通りにいかないことがしばしばある。

とはいえ、快適性はかなり高い。インテリアの質感も高いし、ドライビングポジションはほとんど完璧だ。それに、この外見は相当な注目を集めることだろう。

650Sのインテリアにはアルカンターラが使われており、オプションで格納式ステアリングを選択すれば運転席への乗り降りがさらに容易になる。バックカメラやP1とほぼ共通のバケットシートも選ぶべきオプションだ。

視界はスーパーカーにしてはかなり優れているし、室内の居心地も予想よりはかなり良い。変な派手さのないステアリングも魅力的だ。


McLaren 650S 2014 review