今回は、英国「Auto Express」によるフォルクスワーゲン・BUDD-eコンセプトの試乗レポートを日本語で紹介します。


BUDD-e

BUDD-eはかつてのマイクロバスの再解釈なのかもしれないが、これは単なるコンセプトカーではない。フォルクスワーゲンは将来的に排出ガスをゼロにすることを目標としており、その未来に向けて、BUDD-eには電気自動車用の新プラットフォーム、MEBが採用されている。今回、特別にBUDD-eの試乗をさせてもらえることになった。

BUDD-eはラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー (CES) で発表された。ドアハンドルやドアミラーは電気で代替されており、その結果、非常にクリーンな見た目に仕上がっている。

ドアの横で手を振る動作をするとスライドドアが開き、ボタンなど無いデジタルで先進的なインテリアに迎えられる。フロントシートは180度回転することができ、後部座席の乗客と会話を楽しむことができる。BUDD-eは車というよりもむしろラウンジのようだと感じた。

interior

モジュラー・エレクトリック・ドライブキット (Modularer Elektrischer Baukasten: MEB) では、小型のモーターが用いられ、前後車軸の間にフラットなハイパフォーマンスバッテリーが搭載される。この配置にはいくつか利点がある。重心が低くなるのでハンドリングが向上するし、室内および荷室のスペースも広く取ることができる。

Dボタンを押して右側のペダルを踏むと、各車軸に配された2個の電気モーターが動きはじめ、最高出力308PSを発揮する。フォルクスワーゲンいわく、航続距離は375kmだそうだ。トルクはかなりあり、結構なペースで飛ばすことができる。それに、4WDなので意外にスポーティーだ。

バッテリー搭載位置が低いためロールも抑えられているのだが、市販モデルでもバッテリーは600kg以上になりそうだ。このコンセプトカーはフォルクスワーゲンの電気自動車の未来を示唆している。これから数年のうちにフォルクスワーゲンから4WDの電気自動車が登場するだろう。


Volkswagen Budd-e concept review