今回は、米国「AUTOWEEK」によるシボレーの電気自動車、ボルト (Bolt) の試乗レポートを日本語で紹介します。

※ここで紹介している車は電気自動車のシボレー・ボルト (Chevrolet Bolt) であり、プラグインハイブリッドカーのシボレー・ヴォルト (Chevrolet Volt) とは違います。


Bolt - コピー

新型ボルトはEV1以来のGM製ピュアEVだ。ガソリン車をベースとしているシボレー・スパークEVとは違い、ボルトには電気自動車用に専用設計されたプラットフォームが用いられている。

このプラットフォームはスパークEVより効率性が高められている。居住空間は2,673Lと広く、リアシート後方にはさらに479Lの荷室スペースが備わる。また、バッテリーはフロア下に搭載される。詳細なスペックは未公開だが、航続距離が公称322kmであることを考えると、バッテリーのサイズは60kW以上だと推察される。

ボルトには先進的なテクノロジーが採用されている。GMによると、車に近付くと自動的にスマートフォンと接続するそうだ。OnStar 4G LTEも搭載されており、車がWi-Fiホットスポットになる。また、インパネには10.2インチのMyLinkディスプレイが備わる。

ルームミラーにはバックカメラの映像も映し出せるようになっており、後方視界がさらに広がる(カメラにはジェットスプレーが付いており、汚れを吹き飛ばすこともできる)。MyChevrolet アプリを使えば、遠隔操作で車を始動させ、あらかじめ暖房をかけたり、車外から車の充電状況を確認したりできる。ナビは航続距離を最大限稼ぐルートを探索することもできるし、過去の航続距離データを記録しておくこともできる。

rear

スパークEVや三菱・i-MiEV、あるいは日産・リーフのような電気自動車に乗ったことがあるなら、この車の応答性の高さに驚くことだろう。0-100km/hは7秒以下という話も小耳に挟んだのだが、だとすれば同じくらいのボディサイズのスポーティーカーにも対抗できるだろう。駐車場に設置された特設コースを5周ほどしたのだが、加速には大満足だった。

回生ブレーキはスムーズだしシームレスだ。ブレーキペダルを介したフィールには欠けているので、望んだような応答性は得られないのだが、フィードバックがまったく無いというわけでもない。それに、回生ブレーキをオフにしても違いは体感できなかった。

コーナーを抜けて強く加速すると、コーナー内側のタイヤが鳴き始めた。電子制御スロットルを使っているのにタイヤが鳴いたので少し驚いた。また、この車にはスポーツモードもあるのだが、これはペダルのレスポンスを変えるだけで、パフォーマンスが変わるわけではない。

interior

背が高いことを考慮すればロールも十分に抑えられている。コーナーでは十分に安定していた。それに、今回はクローズドコースでの試乗だったので、比較的車を酷使している。

もっと一般的な都市部や郊外の公道でも運転したのだが、乗り心地も良かったし、取り回しもしやすかった。それに駐車も簡単なので、都市部では特に使いやすいだろう。

価格は補助金も考慮すると3万ドル程度で、リーフと比べると少し高い。しかし、室内空間はリーフよりも広いし、運転もリーフより少し楽しいと思う。ボルトは非常に堅実な電気自動車に仕上がっている。


2017 Chevrolet Bolt EV first drive