今回は、人気自動車番組「Top Gear」でもおなじみのリチャード・ハモンドが2014年に英「Mirror」に寄稿したフォルクスワーゲン・ポロのレビューを日本語で紹介します。


Polo

フォルクスワーゲンは「新型ポロ」だと言っているのだが、実際のところ、普通のフェイスリフトとは違い、バンパーやテールランプなどのデザインはほとんど変わっていない。

しかし、そこはあまり重要ではない。今回のマイナーチェンジは外見よりもむしろ中身が変更されている。しかも、その変更内容はなかなかに興味深い。

新型ポロにはup!にも搭載される1.0Lの3気筒エンジンが新たに搭載される。このエンジンには60PS版と70PS版があり、今回は5速MTの60PS版に試乗した。ほかにも、1.2Lガソリンエンジンやディーゼルエンジンが設定されるのだが、今回は新設定された3気筒モデルのみを試した。

このエンジンは面白い。3気筒特有のエンジン音も面白いし、なにより個性がある。当然、わずか60PSしかないので0-100km/h加速は15.5秒と"のんびり"だ。しかし、加速をする時などにエンジンを回すのは楽しい。

回しすぎれば当然、カタログ燃費の25.6km/Lを実現することは難しくなるだろうが、エンジンは意外なほどによく回ってくれる。楽しい車には大パワーが必要不可欠、なんてことはない。この車を運転するとよく分かる。

新型ポロには全モデルに電動パワーステアリングやヒルホールド、ESCが標準装備される。試乗したモデルは1万3,065ポンドだったのだが、試乗車に含まれていたオプションは255ポンドの特別塗装色だけだった。ホワイトが他のボディカラーよりも高い理由はまったく理解できないのだが、試乗車にはインフォテインメントシステム用の6.5インチスクリーンまで標準装備されていた。

オプションには、アダプティブクルーズコントロールやシティエマージェンシーブレーキ、ドライバー疲労検知システムなどがある。いずれもつい数年前までは高級車にしか装備されていなかったものだ。

新型ポロのデザインは個性的とは言えないのだが、それでも堅実で洗練されたデザインだ。それに、新たに追加された3気筒エンジンやその他の改良点も考慮すれば、運転していて楽しい低価格の実用車として実力は高い。


New Volkswagen Polo review: Sophisticated and a surprising giggle to drive