今回は、米国「MOTOR TREND」による新型ホンダ・シビックの試乗レポートを日本語で紹介します。


Civic

ホンダ・シビックには10世代・40年以上の歴史があり、現在大きな壁に直面している。ホンダはかつて、CVCC (Compound Vortex Controlled Combustion) 技術の開発によってアメリカの厳しい環境基準を他社に先んじて突破し、環境性能・信頼性の両面において頂点へと躍り出た。

かつてのシビックには、ライバルにはない、車好きが喜ぶようなちょっとしたエッセンスが含まれていた。しかし、他社から魅力的なCセグメントセダンが次々に登場し、シビックは暗黒期へと突入していった。

ホンダいわく、暗黒期はもう終わりだそうだ。地味だった9代目シビックに引き続いて登場する10世代目のシビックにはそれだけの実力があるそうだ。新型ではプラットフォームが刷新されており、ホイールベースは30mm延長し、快適性を保持しつつもスポーティーさが追求されている。高速燃費17km/L以上を目標とした2種類の4気筒エンジンが設定され、そのうち一方はアメリカ向けとしては初のターボエンジンだ。

シビックのデザインは伝統的にクリーンで控え目だった。しかし、新型シビックのデザインは好き嫌いはあるかもしれないが人目を引くもので、一部のデザイン(フロントグリルなど)からは燃料電池車のFCXクラリティとの共通性も伺える。それに、テールランプはC字型でLED方式だ。

rear

10代目シビックはシビックSi EP3以来のエキセントリックさを有しており、セダンながらもかつてのホットハッチのようなパンチがある。1.5Lの直列4気筒ターボエンジンは最高出力176PS、最大トルク22.4kgf·mを発揮し、最大ブースト圧は16.5psiだ。CVTモデル(ターボのMTモデルは後に追加される)では、EP3のシビックSiよりも速い、0-100km/h加速7.2秒、0-400m加速15.5秒・149km/hを記録した。

同じく新設計の2.0L 自然吸気4気筒エンジン(最高出力160PS、最大トルク19.1kgf·m)を搭載する6速MT車のテストも行ったのだが、こちらの実力も侮れないものだった。1,245kgという軽さもあり、0-100km/h加速7.8秒、0-400m加速15.9秒・142km/hを記録した。ただし、今回は2.0LのCVTモデルのテストは行うことができなかった。

意外かもしれないが、DOHC 2.0Lおよび1.5Lターボしか設定されない10代目シビックには、シビック史上初めてシングルカムのエンジンが存在しない。特にターボの実力は高く、1,327kgのターボモデルは8の字走行テストでは27.5秒を記録した(これはマツダ・3 ※日本名: アクセラ の領域だ)。ただ、コーナーを抜けてからの立ち上がり加速時のCVTの応答性が遅かったので、CVTの改良でもっと速くなるポテンシャルを秘めている(普段使いではこのCVTでも問題はない)。

interior

操作性に関しては、軽さやステアリングの繊細さ、ボディの動きなどにホンダらしさを感じることができる。ステアリングのロック・トゥ・ロックは2.8回転から2.2回転まで抑えられており、回転半径への影響を抑えるために可変ギアレシオステアリングが採用されている。最小回転半径は、旧型の5.39mからわずかに増加して5.44mになっている。ステアリングは旧型よりはわずかに重くなっているものの、依然としてかなり軽い。

上級グレードの「Touring」には衝突警報や路外逸脱抑制機能などの先進安全装備やメッキドアハンドルが装備され、スタビライザーも強化されているのだが、一番興味を引くのは新しい電動パーキングブレーキだろう。これはレッドゾーンの低くなったエンジンと並んで大きな反響を呼ぶことだろう。

傾斜のきついルーフラインにより、リアシートの空間はある程度犠牲になっている。とはいえ、乗り降りの際に頭をぶつけないようにすれば、相当背の高い人でない限り大きな問題はないだろう。

9代目の登場時、ホンダは今後、過去の名声だけに縋ってシビックを売っていくのだと思った。しかし、よりロー&ワイドで個性的となった新型シビックは、シビックという人気車にさらなる進歩をもたらしたように思える。ホンダがやる気を取り戻したことで、シビックの競争力は再び上がることだろう。


2016 Honda Civic First Test Review