今回は、米国「Car and Driver」によるマツダ3 ハッチバック(日本名: アクセラスポーツ) 2.5L マニュアルの試乗レポートを日本語で紹介します。

情熱と合理性は相容れないものだ。例えば、イタリア車には情熱を燃やす力があるが、同時に車自体が燃える危険性を孕んでいる、というステレオタイプがある。それゆえ、友人や家族にどんな車を購入すればいいか尋ねられた際、間違ったアドバイスをしてしまいがちだ。3万ドルの予算がある場合、中古のボクスターを買えばいいと言ってしまったりする。4ドアが欲しい場合、メルセデス・ベンツ Gワーゲンを買えばいいと言ってしまったりする。そんなとき、燃費とか保証とかのことは考えていないはずだ。
2万8,385ドルで買える車はたくさんある。そんな中にマツダ3があるのは意外かもしれない。エントリーグレードは1万1,740ドルなのに、それよりも1万645ドルも高いモデルにそれだけの価値があるのだろうか。
まず、試乗車はハッチバックだった。荷室容量はセダンの351Lから572Lまで拡大するが、価格はセダンよりも2,000ドル高い。また、試乗車は上級グレードのグランドツーリングであり、さらに6,600ドル高くなっている。このグレードでは、雨滴感知式ワイパーやサンルーフ、シートヒーター付レザーシート、キーレスエントリー、ヘッドアップディスプレイ、リアビューカメラ、BOSEサラウンドサウンドシステム、タッチスクリーンインフォテインメントシステムが装備される。また、ナビ機能を追加するためには125ドルかかる。試乗車にはさらに、1,750ドルのアピアランスパッケージ(フロントエアダム、リアバンパースカート、リアスポイラー、サイドシルスポイラー)が装備されていた。
マツダ3の走行性能は高く評価されている。しかも、試乗車には最高出力187PS、最大トルク25.6kgf·mの4気筒エンジンが搭載されており、215/45R18のダンロップタイヤが装着されていた。このパワートレインはあまりに素晴らしく、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにさえ対抗できるレベルにある。0-100km/h加速の数字では敵わない(マツダは7.3秒で、GTIより1.5秒遅い)のだが、楽しさという感覚においては両者とも近いところにある。それに、GTIの価格は試乗車のマツダ3とほとんど同じ価格だ。それに、マツダ3は12.3km/Lという低燃費を実現している。
また、スキッドパッドテストでは0.84Gを記録した。この車は低価格な前輪駆動車としては驚異的なバランスを有している。ターンインしてブレーキペダルを踏むと見事に曲がってくれる。高級ブランドのバッジが付いているわけでもないし、スポーツモデルというわけでもないのだが、そのどちらの性質も兼ね備えているように思う。
家族や友人に車のアドバイスを求められた際、予算がたとえ3万ドルであろうと、マツダ3を勧めればきっと誰もが喜ぶことだろう。
2015 Mazda 3 2.5L Manual Hatchback

情熱と合理性は相容れないものだ。例えば、イタリア車には情熱を燃やす力があるが、同時に車自体が燃える危険性を孕んでいる、というステレオタイプがある。それゆえ、友人や家族にどんな車を購入すればいいか尋ねられた際、間違ったアドバイスをしてしまいがちだ。3万ドルの予算がある場合、中古のボクスターを買えばいいと言ってしまったりする。4ドアが欲しい場合、メルセデス・ベンツ Gワーゲンを買えばいいと言ってしまったりする。そんなとき、燃費とか保証とかのことは考えていないはずだ。
2万8,385ドルで買える車はたくさんある。そんな中にマツダ3があるのは意外かもしれない。エントリーグレードは1万1,740ドルなのに、それよりも1万645ドルも高いモデルにそれだけの価値があるのだろうか。
まず、試乗車はハッチバックだった。荷室容量はセダンの351Lから572Lまで拡大するが、価格はセダンよりも2,000ドル高い。また、試乗車は上級グレードのグランドツーリングであり、さらに6,600ドル高くなっている。このグレードでは、雨滴感知式ワイパーやサンルーフ、シートヒーター付レザーシート、キーレスエントリー、ヘッドアップディスプレイ、リアビューカメラ、BOSEサラウンドサウンドシステム、タッチスクリーンインフォテインメントシステムが装備される。また、ナビ機能を追加するためには125ドルかかる。試乗車にはさらに、1,750ドルのアピアランスパッケージ(フロントエアダム、リアバンパースカート、リアスポイラー、サイドシルスポイラー)が装備されていた。
マツダ3の走行性能は高く評価されている。しかも、試乗車には最高出力187PS、最大トルク25.6kgf·mの4気筒エンジンが搭載されており、215/45R18のダンロップタイヤが装着されていた。このパワートレインはあまりに素晴らしく、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにさえ対抗できるレベルにある。0-100km/h加速の数字では敵わない(マツダは7.3秒で、GTIより1.5秒遅い)のだが、楽しさという感覚においては両者とも近いところにある。それに、GTIの価格は試乗車のマツダ3とほとんど同じ価格だ。それに、マツダ3は12.3km/Lという低燃費を実現している。
また、スキッドパッドテストでは0.84Gを記録した。この車は低価格な前輪駆動車としては驚異的なバランスを有している。ターンインしてブレーキペダルを踏むと見事に曲がってくれる。高級ブランドのバッジが付いているわけでもないし、スポーツモデルというわけでもないのだが、そのどちらの性質も兼ね備えているように思う。
家族や友人に車のアドバイスを求められた際、予算がたとえ3万ドルであろうと、マツダ3を勧めればきっと誰もが喜ぶことだろう。
2015 Mazda 3 2.5L Manual Hatchback