現在、フォルクスワーゲンのディーゼル車不正問題が世間を騒がせていますが、今回はジェレミー・クラークソンが2014年に英「Top Gear」に寄稿したディーゼル車に関するコラムを日本語で紹介します。

つい数年前、専門家はガソリン車を有害認定した。ガソリン車を乗り回すのは、ホッキョクグマの毛皮を身に付け、コウモリの赤ん坊を踏みつけながら通行人に銃を乱射するのと同じことらしい。
その結果、多くの人がガソリン車を売り払い、代わりにディーゼル車を購入した。もちろん、そこには代償もあった。エンジン始動時にガラガラと音が鳴るし、高回転域は使いものにならない。その代わり、ガソリンスタンドに寄る頻度は減り、年間のランニングコストも減少した。それになにより、北極に住まうホッキョクグマに笑顔が戻った。
ところが、同じ専門家が今度は標的をディーゼルエンジンに変え、ディーゼルエンジンを乗り回すのは殺人と同じだと言い始めた。「この人殺し!」
晴れた日に街中を走るディーゼル車を見ると煙を出しているそうだ。その煙には不完全燃焼物質が含まれており、これが子供の肺に入って子供を殺すそうだ。ディーゼルのすすは奇形や死を引き起こし、ディーゼル車の走る街中を歩くのは、1時間に1,000本のタバコを200年間吸い続けるのと同じくらいに危険らしい。
しかし、今のディーゼル車が排出する有害物質は1970年代のディーゼル車の100分の1だ。今のディーゼル車には微粒子を99%吸着するフィルターが付いており、窒素酸化物 (NOx) の排出量も1990年から2010年までで81%も減少している。
しかし、科学的数学的な根拠をいかに並べようとも無駄だ。ヒステリーを起こし、腕を振り回しながら「人殺し!」と叫び続ける専門家には理性的な議論など何の意味も持たない。
そんな彼らにとって、低価格で実用性の高いヴォクスホール・アストラディーゼルで子供を学校まで送迎するのは、結婚式に爆撃するよりも不届きなことらしい。
政治家は軽油にかかる税金を上げようと提案している。ガソリンと同等どころか、1Lあたり1万ポンドの税がかかるようになるかもしれない。それどころか、軽油を要求した途端に刺されるような時代が来るかもしれない。
ロンドンの大気汚染を抑えるため、ボリス・ジョンソンは2020年までにディーゼル車の渋滞税を2倍にしようとしている。同じようなこと計画している都市は他にもある。この結果生じた税収は、まともに機能しない社会福祉や、不必要な路面電車の整備、無意味な戦争、そして環境専門家のために使われるのだろう。
しかし、我々一般人はどうなるのだろうか。これが正しいと言われてディーゼル車を購入したはずなのに、車を手放さなければ子供が死ぬと脅されるようになってしまった。
Clarkson on: diesel

つい数年前、専門家はガソリン車を有害認定した。ガソリン車を乗り回すのは、ホッキョクグマの毛皮を身に付け、コウモリの赤ん坊を踏みつけながら通行人に銃を乱射するのと同じことらしい。
その結果、多くの人がガソリン車を売り払い、代わりにディーゼル車を購入した。もちろん、そこには代償もあった。エンジン始動時にガラガラと音が鳴るし、高回転域は使いものにならない。その代わり、ガソリンスタンドに寄る頻度は減り、年間のランニングコストも減少した。それになにより、北極に住まうホッキョクグマに笑顔が戻った。
ところが、同じ専門家が今度は標的をディーゼルエンジンに変え、ディーゼルエンジンを乗り回すのは殺人と同じだと言い始めた。「この人殺し!」
晴れた日に街中を走るディーゼル車を見ると煙を出しているそうだ。その煙には不完全燃焼物質が含まれており、これが子供の肺に入って子供を殺すそうだ。ディーゼルのすすは奇形や死を引き起こし、ディーゼル車の走る街中を歩くのは、1時間に1,000本のタバコを200年間吸い続けるのと同じくらいに危険らしい。
しかし、今のディーゼル車が排出する有害物質は1970年代のディーゼル車の100分の1だ。今のディーゼル車には微粒子を99%吸着するフィルターが付いており、窒素酸化物 (NOx) の排出量も1990年から2010年までで81%も減少している。
しかし、科学的数学的な根拠をいかに並べようとも無駄だ。ヒステリーを起こし、腕を振り回しながら「人殺し!」と叫び続ける専門家には理性的な議論など何の意味も持たない。
そんな彼らにとって、低価格で実用性の高いヴォクスホール・アストラディーゼルで子供を学校まで送迎するのは、結婚式に爆撃するよりも不届きなことらしい。
政治家は軽油にかかる税金を上げようと提案している。ガソリンと同等どころか、1Lあたり1万ポンドの税がかかるようになるかもしれない。それどころか、軽油を要求した途端に刺されるような時代が来るかもしれない。
ロンドンの大気汚染を抑えるため、ボリス・ジョンソンは2020年までにディーゼル車の渋滞税を2倍にしようとしている。同じようなこと計画している都市は他にもある。この結果生じた税収は、まともに機能しない社会福祉や、不必要な路面電車の整備、無意味な戦争、そして環境専門家のために使われるのだろう。
しかし、我々一般人はどうなるのだろうか。これが正しいと言われてディーゼル車を購入したはずなのに、車を手放さなければ子供が死ぬと脅されるようになってしまった。
Clarkson on: diesel
