インド市場では、マルチスズキがコンパクトセダン「シアズ」を販売していますが、2015年9月にはそのディーゼルマイルドハイブリッド版である「シアズSHVS」が追加されました。

今回は、インド「AUTOCAR INDIA」によるシアズSHVSの試乗レポートを日本語で紹介します。


Ciaz

マルチスズキがホンダ・シティ(日本名: グレイス)の競合車であるシアズを投入してからおよそ1年が経過した。シアズはどの点でも優秀な車であり、クラストップレベルの実力を有する。見た目も良く、エンジンの性能も十分だし、リアシートのレッグルームも広いし、装備内容も充実している。実際、元々シティの最大のライバルであったヒュンダイ・ヴェルナを下し、シティに次ぐクラス2位の販売台数を記録しているのだが、シティには依然として追いつけていない。

また、燃費に関しては、シティディーゼルはARAI基準で26.00km/Lを実現しているのだが、シアズディーゼルもそれとほとんど変わらず、26.21km/Lだ。燃費競争に打ち勝ち、販売台数を底上げするため、マルチスズキはシアズディーゼルのマイルドハイブリッド版の投入を決定した。シアズSHVSと呼ばれるこのモデルは、ARAI基準で28.01km/Lを実現している。今回は、そのシアズSHVSの試乗を行った。

エクステリアは、トランクの”SHVS”のバッジを除けば従来のディーゼルモデルと変わらない。グレード構成についても非ハイブリッドのモデルと変わらない。インテリアも基本的には同一で、シンプルかつ整然としたダッシュボードや読みやすい計器類もそのままだ。しかし、SHVSではスイッチ類が増えている。

シアズSHVS (Smart Hybrid Vehicle of Suzuki) にはISG(モーター機能付発電機)と呼ばれるものが備わる。また、クラス初のアイドリングストップシステムが装備される。これにより、車両が完全に停止すると自動的にエンジンが停止し、クラッチペダルを踏むとエンジンが再始動する。実際に確認してみたところ、車が完全に停止してから4~5秒以内にはエンジンが停止することを確認した。メーカーによると、運転席のシートベルトが外れたり、運転席側のドアが開いたりするとこのシステムは無効化されるそうだ。

また、シアズSHVSには減速エネルギー回生機構も備わっている。これは減速時に稼働し、減速時のエネルギーを蓄電してエネルギー効率を向上するシステムだ。システム稼働中にはメーター中央部にある緑のランプが点灯する。実際には、約30km/h以上からの減速でなければこのシステムは稼働しないようだった。また、このシステムを稼働するためには、ギアをニュートラルに入れずに、クラッチペダルから足を離した状態で減速する必要がある。

また、エンジンパワーアシストという機能も備わる。これは走行時にモーターがエンジンの駆動のアシストをするというものだ。また、変速する最適なタイミングを示すギアシフトインジケーターも付いている。これは最近のヒュンダイ車の多くに装備されているものと同じようなものだ。

シアズSHVSに搭載されるのは、従来のシアズディーゼルと共通のフィアット製1.3Lエンジンで、これはECUの調整によりエルティガに搭載されるものよりパフォーマンスが向上されており、最高出力は90PSを発揮する。ターボラグはあるものの、一旦かかってしまえば街乗りに不足を感じることはない。SHVSにはさまざまな環境技術が投入されてはいるものの、走り自体は従来のシアズディーゼルとあまり変わらない。

激戦区にあるミドルサイズセダン市場において、スズキは燃費性能を向上することで独自性を築こうとしている。回生ブレーキやアイドリングストップなどの技術は燃費に敏感なここインド市場において注目されることだろう。この車は既に人気を博しているシアズという車をさらなる高みへと導いてくれることだろう。インド政府によるFAME計画のおかげで、SHVSと入れ替わりで廃止される非ハイブリッドのディーゼルモデルよりも価格はわずかに安く設定されている。価格設定は82万3,000ルピーからとなる。


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