今回は、インド「Top gear」による、インドの自動車メーカー、タタのSUV「サファリストーム」の試乗レポートを日本語で紹介します。


Storm

「アップグレード」という言葉は頻繁に使われる。一例として、サファリストーム エクスプローラーエディションを取り上げてみよう。ここで言うアップグレードとは、ステッカーが貼られたのと、ちょっとした装備が追加されたというだけの話だ。

それに、残念ながら、追加された装備というのも別に嬉しいものではない。タタは1DINのスペースに2DINのタッチスクリーンナビを付けた。そのため、ナビには変な角度がついてしまっている。インパネの下部に上向きの角度で設置されたこのナビは光を反射してしまい、日中に画面の表示を読むのはほとんど不可能だ。ところが、これは問題点の一端に過ぎない。シフトレバーを1速に入れれば指がディスプレイに当たり、3速でも5速でも同じことが起こる。そして、3速から変速しようとシフトレバーに手を添えるたび、指はディスプレイに当たり、何らかの設定が変わったり、オーディオのボリュームが上がったりしてしまう。これは、私が今まで見た中でも最悪の設計ミスだ。

サファリストームの標準モデルにはデュアルAC電源やリアパーキングセンサーなどが装備されているが、エクスプローラーエディションにはそれに加えてレザーシートが奢られている。全体的に見てプラスティックの質感は良く、高級感もあるが、仕上がりは良くない。長年の使用に耐えられるとは感じられない。

外見面では、エクスプローラーエディションにはコンパスが描かれたステッカーが貼られている。また、ヘッドランプにはメッキガーニッシュが追加され、フロントバンパーガードが付くことで、他の標準モデルと区別することができる。ただ、金額に見合っただけの特別感があるとは思えない。

乗り心地は良い部類に入るのだが、ロールはかなりひどく、ピッチングもかなりある。とはいえ、それを置いておけば操作性はそれなりに良い。これだけの大きさの車としては意外なことに、コーナーでのライントレース性は高い。コーナリング中のステアリングのフィードバックも良いのだが、ただ低速時には少し軽すぎる。

2.2Lの「VariCOR」ディーゼルエンジンはパワフルでパンチがあり、最高出力140PS、最大トルク32.6kgf·mを発揮する。低回転域からパワフルで、エンジン特性はリニアだ。5速MTにより変速を行い、駆動力はシフトオンザフライシステムを介して四輪に伝達される。オフロード走行用に副変速機も備わっている。

0-100km/h加速には15.13秒を要すが、これは2t超えのSUVとしては悪い数字ではない。ただ、燃費性能は良くはない。ハイウェイ燃費は11km/L、シティ燃費は8.9km/Lとなる。

サファリストームのどのグレードにも、5万6,800ルピー追加することでエクスプローラーエディションとすることができる。これにより、最上級グレードのエクスプローラーエディションの価格は174万4,000ルピーとなる。

この金額だと、他のSUVも選択肢に入ってくる。例を上げれば、シュコダ・イエティルノー・ダスター、マヒンドラ・XUVなどがそうだ。ただ、ストームのスタイリングや走行性能に惹かれたなら、ストームをおすすめしたい。ただ、エクスプローラーパッケージなしのモデルを、だが。


Review: Safari Storme Explorer edition