2015年4月に行われたニューヨークモーターショーで三菱・アウトランダーのマイナーチェンジモデルが発表されましたが、その新型アウトランダーはオーストラリアでは既に発売されています。
今回は、豪州「Cars Guide」による新型アウトランダーの試乗レポートを日本語で紹介します。

外見が刷新された程度では、ミドルサイズSUVとして競争力を維持するのは難しいかもしれない。とはいえ、激しい競争の最中において、アウトランダーはマイナーチェンジによりその存在感を増すことだろう。
2012年に登場したアウトランダーは、今回の改良により、フロントエンドのデザインが大幅に改善され、内装の質感も向上し、遮音性能も強化されている。また一方で製造品質や信頼性は維持することで、続々と投入される新たなライバルに対する競争力を維持しようとしている。
新しいライバル車の多くは舗装道路における走行性能に焦点を置いているが、アウトランダーはオフロード性能の高さによって差別化を図っている。
パワートレインは基本的に変更されていないものの、それほど問題はない。2.0Lガソリンエンジンは2WD車のみに搭載されるが、パワーや燃費性能は主なライバル車と同等の水準にある。エントリーグレードのLS(28,490豪ドル)では5速MTが標準設定となるが、2,000豪ドルの追加でCVTに変更することもできる。
一方、2.4Lガソリンエンジンは4WD車のみに搭載され、全車にCVTが採用される。こちらはLSが33,490豪ドルとなり、中間グレードのXLS(7シーター)が36,490豪ドル、最上級グレードのExceedが43,490豪ドルとなる。
2.2Lのターボディーゼルエンジンも4WD車のみに搭載され、こちらには6速ATが採用される。これはマツダ・CX-5ディーゼルには性能面で敵わないものの、それなりの競争力は持つ。価格は39,490豪ドルからとなる。
ちなみに、マツダ・CX-5の価格は27,190豪ドル~50,610豪ドルとなり、日産・エクストレイル(ミドルサイズSUVとしてはアウトランダー以外で唯一、7シーター仕様がある)の価格は27,990~46,580豪ドルとなる。
新型アウトランダーには全車に18インチアルミホイール、LEDデイライト、LEDテールランプ、シルバールーフレールが装備される。
新型アウトランダーは、「ダイナミック・シールド」フロントデザインの採用や、リアデザインの刷新により、確実に魅力を増している。特にヘッドランプからフォグランプまで続くメッキはデザインの一体感を強めているように思える。
一方、インテリアの変更で最も顕著なのは新設計のステアリングが採用されている点だろう。ドアアームレストの材質も改善されているものの、薄っぺらく感じられた。
走行性能
従来のアウトランダーにあった問題点はある程度改善されている。
ステアリングの遊びはそれなりにあるが、学校の送り迎えに使われるようなこの種の車ではそれも問題とはならないだろう。というのも、運転中に後部座席の子供たちを振り返って監視する必要もあるだろうし、その際に車線から外れてしまうとまずいので、こういうセッティングは理に適っている。ステアフィールは依然として軽すぎるように思えるものの、より素直になったように感じられた。
また、粗い路面におけるロードノイズも改善されてはいたものの、完璧とまでは言えない。全体的な静粛性も遮音の追加により改善しているように思える。
サスペンションは従来よりは改善されているものの、最善とは言えない。ちょっとした路面の衝撃も感じられるし、スピードハンプのような大きな衝撃を受けるとそれなりに揺れる。それに、フロントヘビーにも感じられる。
とはいえ、そんな欠点もアウトランダーのオフロード性能を考えれば相殺されることだろう。柔らかいスプリングを採用しているおかげで、舗装されていない轍のできたような道を走っても安定している。
このクラスでもっとも売れているマツダ・CX-5はこのようなオフロード性能は兼ね備えていない。マツダはこのクラスのSUVの購入者はオフロード性能を求めていないと考えているようで、実際に舗装のない道を走れば跳ね回る。
とはいえ、乗用車的なクロスオーバーSUVではなく、本当の多目的車を求める人にとっては、アウトランダーは数少ない選択肢の1つといえるだろう。それに、3列シート7シーターモデルもラインアップされる(ただし3列目シートは日常的な使用には耐えない)ため、子供たちの送迎にもってこいだろう。
サスペンションマウントが強化されたおかげでロールも減少しており、子供たちが乗り物酔いになることも少なくなることだろう。
ピープルムーバーとしてのポテンシャルやオフロード性能を考えれば、新型アウトランダーは日産・エクストレイルやマツダ・CX-5の域により近づいたと言えるだろう。
2015 Mitsubishi Outlander review | first drive
今回は、豪州「Cars Guide」による新型アウトランダーの試乗レポートを日本語で紹介します。

外見が刷新された程度では、ミドルサイズSUVとして競争力を維持するのは難しいかもしれない。とはいえ、激しい競争の最中において、アウトランダーはマイナーチェンジによりその存在感を増すことだろう。
2012年に登場したアウトランダーは、今回の改良により、フロントエンドのデザインが大幅に改善され、内装の質感も向上し、遮音性能も強化されている。また一方で製造品質や信頼性は維持することで、続々と投入される新たなライバルに対する競争力を維持しようとしている。
新しいライバル車の多くは舗装道路における走行性能に焦点を置いているが、アウトランダーはオフロード性能の高さによって差別化を図っている。
パワートレインは基本的に変更されていないものの、それほど問題はない。2.0Lガソリンエンジンは2WD車のみに搭載されるが、パワーや燃費性能は主なライバル車と同等の水準にある。エントリーグレードのLS(28,490豪ドル)では5速MTが標準設定となるが、2,000豪ドルの追加でCVTに変更することもできる。
一方、2.4Lガソリンエンジンは4WD車のみに搭載され、全車にCVTが採用される。こちらはLSが33,490豪ドルとなり、中間グレードのXLS(7シーター)が36,490豪ドル、最上級グレードのExceedが43,490豪ドルとなる。
2.2Lのターボディーゼルエンジンも4WD車のみに搭載され、こちらには6速ATが採用される。これはマツダ・CX-5ディーゼルには性能面で敵わないものの、それなりの競争力は持つ。価格は39,490豪ドルからとなる。
ちなみに、マツダ・CX-5の価格は27,190豪ドル~50,610豪ドルとなり、日産・エクストレイル(ミドルサイズSUVとしてはアウトランダー以外で唯一、7シーター仕様がある)の価格は27,990~46,580豪ドルとなる。
新型アウトランダーには全車に18インチアルミホイール、LEDデイライト、LEDテールランプ、シルバールーフレールが装備される。
新型アウトランダーは、「ダイナミック・シールド」フロントデザインの採用や、リアデザインの刷新により、確実に魅力を増している。特にヘッドランプからフォグランプまで続くメッキはデザインの一体感を強めているように思える。
一方、インテリアの変更で最も顕著なのは新設計のステアリングが採用されている点だろう。ドアアームレストの材質も改善されているものの、薄っぺらく感じられた。
走行性能
従来のアウトランダーにあった問題点はある程度改善されている。
ステアリングの遊びはそれなりにあるが、学校の送り迎えに使われるようなこの種の車ではそれも問題とはならないだろう。というのも、運転中に後部座席の子供たちを振り返って監視する必要もあるだろうし、その際に車線から外れてしまうとまずいので、こういうセッティングは理に適っている。ステアフィールは依然として軽すぎるように思えるものの、より素直になったように感じられた。
また、粗い路面におけるロードノイズも改善されてはいたものの、完璧とまでは言えない。全体的な静粛性も遮音の追加により改善しているように思える。
サスペンションは従来よりは改善されているものの、最善とは言えない。ちょっとした路面の衝撃も感じられるし、スピードハンプのような大きな衝撃を受けるとそれなりに揺れる。それに、フロントヘビーにも感じられる。
とはいえ、そんな欠点もアウトランダーのオフロード性能を考えれば相殺されることだろう。柔らかいスプリングを採用しているおかげで、舗装されていない轍のできたような道を走っても安定している。
このクラスでもっとも売れているマツダ・CX-5はこのようなオフロード性能は兼ね備えていない。マツダはこのクラスのSUVの購入者はオフロード性能を求めていないと考えているようで、実際に舗装のない道を走れば跳ね回る。
とはいえ、乗用車的なクロスオーバーSUVではなく、本当の多目的車を求める人にとっては、アウトランダーは数少ない選択肢の1つといえるだろう。それに、3列シート7シーターモデルもラインアップされる(ただし3列目シートは日常的な使用には耐えない)ため、子供たちの送迎にもってこいだろう。
サスペンションマウントが強化されたおかげでロールも減少しており、子供たちが乗り物酔いになることも少なくなることだろう。
ピープルムーバーとしてのポテンシャルやオフロード性能を考えれば、新型アウトランダーは日産・エクストレイルやマツダ・CX-5の域により近づいたと言えるだろう。
2015 Mitsubishi Outlander review | first drive