プロトンに次いで誕生したマレーシアの自動車メーカーとして、ダイハツと合弁関係をもつプロドゥアという企業があります。

そんなプロドゥアが、マレーシアの省エネルギー自動車(EEV)政策に対応した初めての車として2014年に発売したのが「アジア」です。

今回は、マレーシア「Astro AWANI」によるプロドゥア・アジアの試乗レポートを日本語で紹介します。


Axia

アジアはマレーシア人がマレーシア人のために設計した車だ。プロドゥアはアジアがマレーシアの国産車として初めてのEEV(省エネルギー自動車)であることを誇っており、事実、その言葉の通り非常に燃費がいい。しかし、アジアにはプロドゥアが生み出したマレーシアのベストセラー車の後継車という重責がある。果たしてアジアは成功することができるだろうか。

アジアを見て最初に印象的に思うのは大きなフロントグリルだろう。このグリルは上級グレードの「SE」と「Advance」のみに装着されているため、ベーシックグレードの「E」や「G」とは簡単に見分けることができる。上級グレードにはフォグランプ付きのスポーティなフロントバンパー・グリルやスポーティなリアバンパー、それにブレーキランプ付きのリアスポイラーが装備されることで、外見はスポーティな印象となっている。

多くの人はベーシックグレードを選ぶだろうが、それでもデザイン面でアジアは賞賛に値する。マレーシア製の車の中でも最高のデザインの車として、プロドゥア・マイヴィと並ぶことだろう。

マレーシア人のために設計された車である証左はさまざまなところに見られる。マレーシアを走る車のほとんどにはティッシュボックスが積まれているが、アジアにはしっかりとティッシュボックスの収納スペースが備わっており、またフックが2つ付いているため、車内で飲むテータリックの入った袋をかけておくこともできる。

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アジアの居住スペースは広大だ。シートアレンジも自在で、4人の大人を快適に乗せることができるし、5人乗っても少し窮屈に感じる程度だ。

盗難防止のため、マレーシア人はSmartTAG(※日本で言うETC車載機のようなもの)を車外から見えない場所にしまっておく傾向があり、それに合わせたかのように小銭入れの部分にはSmartTAGがぴったりと収まる。荷室スペースは一見狭そうにも見えるが、それでも260Lの容量がある。

アジアはパワフルとは言えないが、それでも4速ATの変速は非常にスムーズだ。最高出力55PS、最大トルク9.2kgf·mを発揮する1KR-DE2型 1.0Lエンジンは十分スピードを出す力はあるのだが、うるさいエンジン音のせいであまりスピードを出したくはない。何度か追い越し加速を試してみたが、パワー不足は感じなかった。

電動パワーステアリングは予想以上に重かった。駐車の際には苦労したし、街中を走っている時も重さを感じた。この重さがちょうどいいと感じたのは高速道路を走っている時だけだった。この車はEEVのため、低速時には燃費のためにパワステに送られるエネルギーが少なくなっており、そのために思った以上にステアリングが重くなったのかもしれない。

電動パワーステアリング以外にもリア・フロントコーナーセンサーも装備されているが、「Advance」に備わる目玉装備はナビゲーションシステムだろう。このナビは外国産の車に付いているどんなナビよりも使いやすい。最も役に立つのが、最寄りのプロドゥアのサービスセンターを探す機能だ。

アジアには安全装備も豊富に備わっている。助手席のサイドに備わるフックには盗難防止用のロック機能が付いており、かけておいたハンドバッグが盗まれるのを防いでくれる。フロントパッセンジャー用のデュアルSRSエアバッグや、ABS、EBD、ブレーキアシストは上級グレードの「SE」と「Advance」のみに装備される。

アジアはマレーシア人に合った装備を豊富に備えており、マレーシア車のトップに立ちうる車と言える。重いステアリングが気にならなければ、初めて買う車として完璧だし、毎日使う実用車としても完璧だろう。


Review: Perodua Axia Advance