ワゴンRといえば日本でもロングセラーの軽自動車ですが、インドではこの軽のワゴンRをベースにノーズ部分のデザインを変更し、1Lエンジンを搭載したモデルが「ワゴンR」として販売されています。

そして、日本仕様のワゴンRスティングレーに当たるモデルとして、スズキ・スティングレーというモデルも販売されています。

今回は、インド「Top Gear」によるスズキ・スティングレーの試乗レポートを日本語で紹介します。


Stingray6

マルチスズキはインドでスティングレーなる車を発売した。もっとも、この車はアメリカの460馬力のV8エンジンを積むマッスルカーとは何の関係もない。

この車は新型車ではない。スティングレーは現行型ワゴンRの化粧直し版だが、これまでにない大掛かりな化粧直しが施されている。スティングレーは落ち着いた印象のワゴンRをより大胆で活発な印象へと変貌させている。

フロントフェイスは一新され、新設計のボンネットやヘッドランプ、LEDライト付き高輝度フロントグリル、大型グリル付きフロントバンパーなどが専用で装備される。また、専用アルミホイールやサイドスカート、リアスポイラー、クロームバックドアガーニッシュ、専用テールランプも備わる。

ドアのスカッフプレートにはSTINGRAYの文字が青く輝いている。インテリアは、どのシートも広々としていて快適だ。スティングレーのブラックのテーマはシートにも適用され、通常モデルのワゴンRの、どこか退屈なグレーのインテリアと差別化している。ダッシュボードには収納スペースが追加されており、オーディオシステムも変更され、今回試乗した最上級グレードのVXi(O)には、インテリアにクロームメッキが散りばめられ、本革ステアリングも装備されていた。

鍵を捻ってエンジンをかければ、アルトや標準モデルのワゴンRでもお馴染みの3気筒 998cc 68PS K10B型エンジンが目を覚ます。アイドリング時にはそれなりの振動があるし、低回転域では非力だ。けれど、3,500rpmまで回せば活力が漲り、エンジンからは高音の唸りが聞こえてくる。遮音性能は素晴らしいとまでは言えないし、5速MTのシフトフィールも素晴らしいとは言えない。0-100km/h加速は公称で15秒となる。

乗り味の面でも、最高とまでは言えないし、電動パワステは重くはなっているものの従来のワゴンR同様フィーリングに欠けている。ブレーキの効きはいいが、ストップアンドゴーの多い交差点ではペダルフィールがスポンジ的だ。

スティングレーはワゴンRと全く同じ能力を持つ。街中で扱いやすいコンパクトなデザインであり、室内空間は広く、公称燃費は20.5km/Lだ。そして、普通のワゴンRよりおよそ2万ルピー高価だ。


Maruti Stingray road tested