近年、欧州をはじめとしてダウンサイジングターボエンジンが流行しています。フォードグループは「EcoBoost」と呼ばれるダウンサイジングターボエンジンを展開していますが、欧州フォードの販売する中型セダン、モンデオに3気筒1.0Lという小排気量のEcoBoostエンジンを搭載したモデルが追加されました。
今回は、英国「Auto Express」によるモンデオ 1.0 EcoBoostの試乗レポートを日本語で紹介します。

排気量は本当に重要なのだろうか。長年、エンジンの排気量は車を表す重要な指標だったが、全長4.8m、車重1,445kgのフォード・モンデオに1.0Lエンジンが搭載されるとどうだろうか。これだけ小さなエンジンで、モンデオの大きなボディをしっかりと走らせることはできるのだろうか。
998cc EcoBoost 3気筒エンジンは実用化されており、3年連続でエンジンオブザイヤーを受賞し、既にフォーカスやフィエスタに搭載されている。これにはターボチャージャーが備わり、最高出力127PS、最大トルク17.3kgf·mを発揮する。1.0Lのモンデオは2015年夏に発売される予定で、量販グレードである「Zetec」では20,000ポンドを切る価格設定となる。
小排気量エンジンのパワーを最大限に使うため、6速MTの最初の3速はギア比が近くなっており、経済的なクルージングやCO2排出量の低減のためにトップの3速は離れている。燃費とCO2排出量では、それぞれ23.6km/L、119g/kmという優秀な値を実現しているが、この値は1.5L TDCiディーゼルエンジンを搭載するモンデオECOneticの33.3km/L、94g/kmという値には及ばない。とはいえ、ECOneticは2,000ポンド近く高い。
エンジンをかけるとシャシを介して単調なエンジン音が聞こえてくるが、その音はまったく不快ではない。最初の3速は非常にローギアードに感じられ、おかげでEcoBoostエンジンは高回転まで回る。これは気になるほどではないのだが、燃費にはそれほど良くないだろう。
ターボエンジンの特性はフラットかつリニアで、ピーキーな感じは全くない。ただ、速いエンジンも言えず、パワーには余裕がないため追い越しには気を使う必要がある。
トップの3速に入れてしまえば回転数は落ち、エンジンは適度な回転数と燃費を保ちつつ高速巡航を行うことができる。ただし、フル乗車で荷物も満載だと、トップギアでの登り坂はかなりきつい。牽引重量はあまり高くなく、900kgという最大牽引重量は他のどのモンデオよりも少ない。
ハンドリングからはノーズの重さが足りないように感じられるが、それほど重大な問題ではない。モンデオは大きな車のため、軽いエンジンを搭載するとエンジンの重さがダイナミクスに与える影響が小さくなってしまう。ノーズは他のモンデオよりも急に切り込んでいくように感じられるが、それでも差がそれほど大きいというわけではない。それに、乗り心地は重いディーゼルエンジンを搭載した鈍重な印象のモンデオと比べると、1.0Lのモンデオにはそういった押し付けられるような感覚がない。ブレーキフィールは他のモンデオ同様にシャープで、急ブレーキをかけた際のダイブは改善している。
このエンジンは、小さいながらも大きなボディを動かすのに十分と言えるエンジンだ。車に人や荷物を満載にしたり、あるいはアップダウンの激しい道を頻繁に使ったりといったことがなければ、1Lのモンデオでも十分だ。とはいえ、結局のところディーゼルモデルの方が賢明な選択と言えよう。
New Ford Mondeo Zetec 1.0 Ecoboost review
今回は、英国「Auto Express」によるモンデオ 1.0 EcoBoostの試乗レポートを日本語で紹介します。

排気量は本当に重要なのだろうか。長年、エンジンの排気量は車を表す重要な指標だったが、全長4.8m、車重1,445kgのフォード・モンデオに1.0Lエンジンが搭載されるとどうだろうか。これだけ小さなエンジンで、モンデオの大きなボディをしっかりと走らせることはできるのだろうか。
998cc EcoBoost 3気筒エンジンは実用化されており、3年連続でエンジンオブザイヤーを受賞し、既にフォーカスやフィエスタに搭載されている。これにはターボチャージャーが備わり、最高出力127PS、最大トルク17.3kgf·mを発揮する。1.0Lのモンデオは2015年夏に発売される予定で、量販グレードである「Zetec」では20,000ポンドを切る価格設定となる。
小排気量エンジンのパワーを最大限に使うため、6速MTの最初の3速はギア比が近くなっており、経済的なクルージングやCO2排出量の低減のためにトップの3速は離れている。燃費とCO2排出量では、それぞれ23.6km/L、119g/kmという優秀な値を実現しているが、この値は1.5L TDCiディーゼルエンジンを搭載するモンデオECOneticの33.3km/L、94g/kmという値には及ばない。とはいえ、ECOneticは2,000ポンド近く高い。
エンジンをかけるとシャシを介して単調なエンジン音が聞こえてくるが、その音はまったく不快ではない。最初の3速は非常にローギアードに感じられ、おかげでEcoBoostエンジンは高回転まで回る。これは気になるほどではないのだが、燃費にはそれほど良くないだろう。
ターボエンジンの特性はフラットかつリニアで、ピーキーな感じは全くない。ただ、速いエンジンも言えず、パワーには余裕がないため追い越しには気を使う必要がある。
トップの3速に入れてしまえば回転数は落ち、エンジンは適度な回転数と燃費を保ちつつ高速巡航を行うことができる。ただし、フル乗車で荷物も満載だと、トップギアでの登り坂はかなりきつい。牽引重量はあまり高くなく、900kgという最大牽引重量は他のどのモンデオよりも少ない。
ハンドリングからはノーズの重さが足りないように感じられるが、それほど重大な問題ではない。モンデオは大きな車のため、軽いエンジンを搭載するとエンジンの重さがダイナミクスに与える影響が小さくなってしまう。ノーズは他のモンデオよりも急に切り込んでいくように感じられるが、それでも差がそれほど大きいというわけではない。それに、乗り心地は重いディーゼルエンジンを搭載した鈍重な印象のモンデオと比べると、1.0Lのモンデオにはそういった押し付けられるような感覚がない。ブレーキフィールは他のモンデオ同様にシャープで、急ブレーキをかけた際のダイブは改善している。
このエンジンは、小さいながらも大きなボディを動かすのに十分と言えるエンジンだ。車に人や荷物を満載にしたり、あるいはアップダウンの激しい道を頻繁に使ったりといったことがなければ、1Lのモンデオでも十分だ。とはいえ、結局のところディーゼルモデルの方が賢明な選択と言えよう。
New Ford Mondeo Zetec 1.0 Ecoboost review