スバルは2014年10月に日本国内でレガシィアウトバックのフルモデルチェンジを行いましたが、日本国内では2.5Lのガソリンエンジンのみしかラインアップされていません。一方、北米では3.6Lのモデルもラインアップされ、欧州では2.0Lのディーゼルモデルもラインアップされています。

今回は、英国「Auto Express」によるスバル・アウトバックのディーゼルモデルの試乗レポートを日本語で紹介します。


Outback

四半世紀前、スバルは世界初とも言えるステーションワゴン型のオフローダーで新天地を築いた。スバル・アウトバックはニッチを創り出し、世界中でお洒落な都市住民と地方の住人のいずれにも訴求し続け、ボルボ・XC70やアウディのオールロードシリーズ、フォルクスワーゲン・パサートオールトラックなどといったタフなルックスの4WDステーションワゴンを後に続かせた。

このモデルのまさに25年目に当たる年、スバルは5代目アウトバックを発売した。新型では成功した手法は変えないながらも、さまざまな改良がなされている。旧型モデルの走破性は不変としつつ、それを包むボディは大幅に変わり、インテリアやテクノロジー面でも新しくなっている。エンジンには2.5Lのガソリンと2.0Lのターボディーゼルが設定され、イギリスでは後者が800台と予想される2015年の販売台数の中でも60%を占めると想定されている。

ディーゼルエンジンもガソリンエンジンと同様にスバルの水平対向「ボクサー」エンジンで、ディーゼルユニットは最高出力150PS、最大トルク35.7kgf·mを発揮し、CO2排出量は159g/km、燃費は19.7km/Lとなる。ボクサーエンジンなので軽量だし搭載位置も低く、このため重心も低くなり、ノーズの動きは俊敏となっている。

150PSという最高出力はパフォーマンス面で決して突出しているとは言えないが、スムーズな出力特性はCVTとうまく合っている。自分で操作したいタイプの人ならば6速MTを選ぶだろうが、アウトバックのリニアトロニックCVTは私が今まで試してきた中でもかなりいい部類に入ると思う。従来的なATの感覚とするために7段ステップの区切りが入れられており、ほとんどの状況でしっかりと働いてくれる。

シフトレバーやパドルシフトを操作することでマニュアル変速も可能だ。ステアリングはよりダイレクトになり、ロールも少なくなっているため、新型はより車との一体感が高まっており、ライバルであるボルボ・XC70にも田舎道では容易に打ち勝つことができるだろう。

ただ、いくらスポーティになったからといってもオフロードの走破性が犠牲になっているというわけでもない。シンメトリカルAWDやヒルディセントコントロールのおかげで、アウトバックは岩道や泥道でも輝く。地上高も十分に高いため、他のライバルがタイヤを空転させているのを横目に悪路をどんどんと走って行くことができるだろう。

インテリアも実用的で、荷室スペースは512Lあり、リアシートを畳めば2,000Lまで増える(ボルボ・XC70は最大1,600Lだ)。キャンピングトレーラーのオーナーなら、2tのトレーラーを牽引できるという牽引能力も耳寄りだろう。

CVTモデルにはもう1つの利点がある。先進的な安全技術だ。アウトバックのリニアトロニックモデルにはスバルの衝突回避システム「EyeSight」が標準装備される。これはドアミラーの前方に装備されるカメラを使って常時前方の障害物をモニタリングするシステムだ。スバルはこのシステムに1980年代から取り組んでおり、自社こそ最も進んでいると自負しているようだ。このシステムは歩行者と自転車を区別することもでき、衝突防止のためにブレーキやアクセルの制御を行うほか、アダプティブクルーズコントロールや車線逸脱警報システムなども含まれている。

5代目アウトバックの外見面での最も大きな変化はフロントフェイスだろう。スバルの新しいブランドフェイスが採用され、より高級感のある顔つきとなり、またテールランプのデザインも大きく変わっている。一方でインテリアは、ダッシュボードのデザインが刷新され、作りもよく、タッチパネル式のナビゲーションシステムも使いやすいが、インテリアのレイアウトは旧型よりもむしろ古臭くなっているようにも感じられる。

スバルによると、新型は歴史上初めて世界中の顧客の意見を取り入れた車となったそうだ。新型に乗って、アウトバックの顧客は、アウトバックの大きな強みであるオールラウンダー的な能力については、従来モデルからの大きな変化を望んでいないのだろうということが一番の印象だった。そしてそれこそが新型アウトバックの一番の基本となっている部分だろう。5代目アウトバックは依然としてニッチな車ではあるが、アウトバックの多くのファンにとって悪いことではないだろう。


新型アウトバックは旧型モデルとあまり変わっていないように見えるかもしれないが、成功した方策を継承した確かな進歩をしている。アウトバックは日産・キャシュカイほどおしゃれではないかもしれないし、ボルボ・XC70ほど豪華ではないかもしれないが、目的に適った車であり、田舎のオフロードを攻めるのにはもってこいで、おしゃれだけにこだわるわけではない都市部の住民にも合っている。アウトバックは名高い高級ブランドに追随するわけでもなく、独自性を磨いており、それこそが人々を魅了する理由だろう。


New Subaru Outback 2015 review