日本ではヨーロッパの小型バンをベースとした乗用車、ルノー・カングーが販売されていますが、そのライバルであるシトロエン・ベルランゴは日本では販売されていません。このモデルは同じPSAグループのプジョーではパートナーの名称で販売されています。

今回は、英国「Auto Express」によるシトロエン・ベルランゴ マルチスペースの試乗レポートを日本語で紹介します。


Berlingo

シトロエン・ベルランゴマルチスペースほど意外なヒットはない。1998年に安価な5シーターMPVとして初代モデルが登場してから、50,000台以上が販売されており、その勢いは未だに止む気配を見せない。

実際、シトロエンはベルランゴの人気を受けて弟を生み出した。その弟はMk IIとして知られ、初代モデルから世代交代するのではなく、販売台数の多い初代モデルと併売する形で発売された。

この2台には決定的な違いがある。新型モデルは窓のついたバンではなく、シトロエン・C4のシャシを基に設計された正真正銘の乗用車だ。この事実は車を走らせるとすぐに分かる。Mk IIのハンドリングは相応のものになっており、これは大きな進歩といえる。

実用性もさらに向上している。新型では従来モデルよりも全長240mm、全幅80mm延長され、広くなった室内には様々な収納スペースが用意されている。天井にも収納ボックスが備わっており、従来モデルで好評を博したModuTopと呼ばれる天井の収納スペースもオプションで設定される。それに、室内用のルーフバーもオプションとして選択できる。

それ以外にも数えきれないほどの収納スペースが床からドア、シート、ダッシュボードに至るまで室内を埋め尽くしており、カップホルダーや数多くの収納ネット、フックまでありとあらゆるものが備わっている。その上、後部座席用のテーブルまで装備されている。運転席と助手席の間にある大型収納ボックスはハンドバッグも入るほどに大きく、また脱着も可能で天井の収納ボックスにしまい込むこともできる。

interior

リアシートは3分割されており、リクライニングや折り畳みが独立してできる。また、必要に応じてリアシートを脱着することもでき、リアシートを外せば3,000Lという大容量の荷室が現れる。それに、荷室口の高さは非常に低く、ほとんど地面と同じくらいの高さと言ってもいいくらいだ。

バックドアはバンのような観音開きではなく、普通車のようなハッチとなっているため、雨除けとしても使うことができる。風変わりな車ではあるが、あらゆる装備がうまく考えられており、なかなかに面白い車といえる。


走行性能の面では、Mk II ベルランゴマルチスペースは従来モデルから大きな進歩を遂げており、面白味はないかもしれないがしっかりとした走りをしてくれる。わずかにバン風のデザインを許せて、かつ実用性が購入基準の大きな比重を占めるなら、この車を選んで後悔することはほとんどないだろう。若い家族にはきっと受けると思う。この車の唯一の問題は、物をどこにしまったか忘れてしまいそうだということだ。


Citroen Multispace MkII