マツダはオーストラリアやタイなどでフォード・レンジャーをベースとしたピックアップトラック「BT-50」を販売しています。今回は、豪州「CarAdvice」によるマツダ・BT-50の試乗レポートを日本語で紹介します。


BT-50

マツダとフォードのピックアップトラックの協業関係の始まりは1972年まで遡り、その年にはマツダ・B1500のバッジエンジニアリングモデルとしてフォード・クーリエが発売された。それ以降、両社のピックアップトラックのデザインやパワートレインはほとんど共通だった。少なくともそれは2011年までは続いていた。そして2011年になって登場した2代目マツダ・BT-50では、フォードの姉妹車との違いがより強調された。

マツダ・BT-50のデザインは日本で行われたが、開発は、デザイン・開発ともにオーストラリアで行われたフォード・レンジャーと一緒にオーストラリアで行われた。

オーストラリアで設計が行われたため、新型BT-50は商用車的な仕事車から、より乗用車的な仕事車に変貌を遂げている。つまり、先代モデルよりも乗り心地やハンドリングが大幅に向上している。

エクステリアデザインは万人受けするものとは言えないかもしれないが、高いドライブポジションや曲線的なデザイン、それにマツダのバッジにより、4x4と4x2合わせてこれまでに8.75%の市場シェアを確保しており、クラスのベンチマークとも言えるフォルクスワーゲン・アマロックにも勝っている。

マツダ自身もこのデザインが多くの人に受けるものではないということを認めており、現在大幅なデザイン変更に取り組んでいるようで、2015年中旬頃にフェイスリフトモデルの登場が予定されている。

現在のところは、エントリーグレードの4気筒ターボディーゼル2ドアキャブシャシ4x2 XTが25,570豪ドルで、トップグレードの5気筒ターボディーゼルデュアルキャブ4x4 GTが53,140豪ドルだ。

運転席に乗り込むと、マツダの乗用車とも共通項が見られるインテリアが現れる。最小限のボタンが配されたシンプルな操作系のおかげでドライバーは運転に集中することができるし、重要な操作部は手の届く範囲にある。

エンターテインメントシステムは素晴らしく、6スピーカーサウンドシステムやUSB/iPod接続機構、Bluetoothオーディオストリーミングがデュアルキャブでは標準装備となる。エンターテインメントシステムの唯一の問題点は、カーナビを装備した場合、ダッシュボード最上部に鎮座する液晶画面が5インチと小さい点だ。時々読みづらいし、それにトヨタ・ハイラックスや三菱・トライトン、フォルクスワーゲン・アマロックなどといった競合車と比べても小さい。

室内は、フロンドには大柄な男性にも十分なスペースがあるが、リアシートはレッグルームは狭く、またドアは開口部が小さいので大柄な人が乗るのは大変だ。左右両方で「スーサイドドア」を採用しているため、乗り降りの際には今はなきRX-8を彷彿とさせる。

interior

着座位置が高いため、フロント方向・サイド方向のいずれも視界がいいし、シートポジションは商用車というよりもむしろ乗用車的だ。ステアリングはクイックだし、運転席は快適なので、運転していると実際よりも小さな車を運転しているように感じる。

BT-50を運転し始めて最初に気付くことの1つが、ステアフィールに欠けるこのクラスの他のライバルと違って、この車のステアリングの応答性が高いという点だ。このステアフィールの素晴らしさは街中で小回りをしてみるとよりはっきりと感じられる。

それに、乗り心地やハンドリング性能も卓越しており、競合車の平均を超えている。リアのリジットアクスル式リーフスプリングサスペンションはうまくチューニングされており、フロントのダブルウィッシュボーン式サスペンションとうまく協調している。こういうセッティングにすると普通は空荷状態では跳ねがちになるのだが、BT-50ではそういうこともない。

BT-50の荷台のサイズや使いやすさも競争力が高い。6箇所に固定用のフックがある(フォード・レンジャー以外のライバルにはフックは4つしか備わらない)ため、荷室は使いやすく、また荷台の壁には高さがあるので多くの荷物を積むことができる。

最大積載量はクラストップで、フリースタイルキャブでは1,350kgを誇り、デュアルキャブでは1,088kgとなる。ハイラックスやトライトンと比べると148kg勝っている。また最大牽引重量に関してもクラストップで、3,500kg(ブレーキ付)だ。つまり、独自のブレーキが備わった最大3,500kgまでのトレーラーを牽引することができるということだ。

パワーユニットとしては、マツダの3.2L 5気筒ターボディーゼルエンジンが搭載されており、6速MTもしくは滑らかな6速ATと組み合わせられる。最高出力は200PS、最大トルクは47.9kgf·mを発揮し、燃費性能とトルクのバランスは完璧といえる。

燃費性能は素晴らしく、複合燃費はMTモデルで11.9km/L、ATモデルで11.2km/Lだ。この数字はクラストップレベルであり、トルクの大きさを考えれば賞賛にも値する。

一見すれば、BT-50は数あるピックアップトラックの中で突出して格好いい存在には見えないかもしれないが、質感という面を見れば非常にお買い得な車だ。この車のデザイン以外を気に入っているのなら、2015年中旬のフェイスリフトまで待ってみる価値はあるだろう。


2015 Mazda BT-50 Freestyle Cab Review