今回は、英国「Auto Express」によるスズキのAセグメントハッチバック、セレリオの試乗レポートを日本語で紹介します。


Celerio

セレリオはアルトとスプラッシュの後継車として開発されたAセグメントコンパクトカーだ。スプラッシュは2014年12月に、アルトは2015年3月に生産を終了する。旧型モデルの販売との兼ね合いもあり、英国でのセレリオの発売は2015年2月まで待たなければならないが、新型はかなり良くなっていそうだ。

なによりも素晴らしいのは、荷室スペースがAセグメント最高の254Lでありがら、室内空間も広いという点だ。前後席ともにヘッドルームは広く、それにリアのレッグルームも十分だ。

ドアの最大開口角度が90度なのでリアシートへのアクセス性は非常に高く、例えばチャイルドシートを載せるのも楽になるだろう。また視界も良く、街中でも運転しやすい。

それに最小回転半径も小さく、オーバーハングも短いため、駐車場も含めて取り回しがしやすい。ただステアリングは反応が遅くて軽いし、それにセルフセンタリングに欠けているのでその点では運転に支障がある。それでも5速MTと組み合わせられる67PSの1.0L 3気筒ガソリンエンジンはライバルにも引けを取らず、少なくとも街中では比較的静かだ。また、サスペンションも街中の段差をうまくいなしてくれる。

経済性はこの車の大きな売りの1つであり、燃費27.9km/L、CO2排出量99g/kmという数値を達成しているため、ランニングコストは低くて済む。また、2015年夏頃にはより経済的なCO2排出量84g/kmの1.0Lエンジンも追加される予定だ。その際には「AGS」と呼ばれるATモデルもオプションで設定される。AGSはMTに対して燃費面でのディスアドバンテージがないそうだ。

interior

セレリオには装備が豊富だ。グレード構成や価格などは発表されていないが、エアコンやアルミホイール、DABラジオ、Bluetooth接続機構は全グレードに標準装備となる。安全装備に関しては、スタビリティコントロールや6エアバッグが標準装備となる。

セレリオはユーロNCAPで3つ星という悪い結果を出している点は言及しておくべきだろう。ただこの評価はテスト車にサイドエアバッグが装備されていなかったことに起因している。イギリスで販売されるセレリオにはサイドエアバッグが装備される予定だ。

グレード構成や価格帯は2015年に発表される予定だが、おそらく9,000ポンド未満からの価格設定となるだろうし、そうすればヒュンダイ・i10などのライバルとも対等に渡り合えるだろう。


New Suzuki Celerio 2015 review