北米市場で日産が販売しているセダンは下から、ヴァーサセダン(日本名: ラティオ)、セントラ(日本名: シルフィ)、アルティマ(日本名: ティアナ)、そしてマキシマです。北米における日産のフラッグシップセダンであるマキシマは海外専売車種であり、フルサイズFFセダンに分類されます。

今回は、米国「Cars.com」による日産・マキシマの試乗レポートを日本語で紹介します。


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マキシマは発売されてからそれなりの時間が経っており、この車には変化が必要だ。ただ、この車には運転する楽しさという強みがあり、このおかげで発売から時が経ってもいまだに少しではあるが売れ続けている。

7代目マキシマは2008年中旬頃に日産ブランドのフラッグシップセダンとして発売された。ボディサイズよりもフラッグシップセダンという立ち位置がこの車のプレミアムさを表しているだろう。マキシマは、トヨタ・アバロンシボレー・インパラといったフルサイズセダンよりもボディサイズが小さい。このボディサイズの小ささにこそマキシマに足りないものが潜んでおり、それはマキシマの運転の楽しさという特性では完全には補いきれない。

今回試乗したのは3.5SVだ。これは3.5Sの上に位置するグレードで、SVにはこのクラスに要求される装備が大抵備わっている。


走行性能
マキシマにはCVTが用いられているが、アルティマ(日本名: ティアナ)やパスファインダーに搭載される、燃費性能の代償として応答性を犠牲にした「次世代」CVTとは異なり、こちらは日産のパワフルな3.5L V6エンジンをしっかりと活かしている。マキシマの軽い車重も手伝って、フルサイズセダンとしては珍しく、294PSのV6エンジンは強力な加速を見せる(V6のトヨタ・アバロンやV8のクライスラー・300も加速性能は高いが)。1,600kgちょっとという車重は競合車の中でもアバロンに次いで軽い。これはフォード・トーラスやクライスラー・300、ダッジ・チャージャーよりも100kg以上軽い。

この車のパワーは試乗車に装着されていたグッドイヤーEagle RS-A P245/45R18オールシーズンタイヤをスタンディングスタートでスピンさせるほどのもので、高速道路でもこのCVTはほとんど遅れなく回転数を上げてくれるので、追い越しは容易だ。Dsモード(Drive Sportモード)にするとギアが固定気味となり、コーナリング時に回転数が上がっていく。もっとも0-100km/h加速では普通のDモードでアクセルを踏み込んだほうが速いのだが、DsモードにすればCVT特有の変な回転数の上昇がなくなり、通常のAT的な自然な回転数の上がり方になる。

高速道路に入って一気に加速させてみると、マイルドなトルクステアが出現する。これは36.1kgf·mという大トルクが前輪に送られることによる取るに足らない代償だし、そもそも操作性自体は高い。ロールは少ないし、コーナーではリアがFR車のようにバランスのとれた挙動を示す。ステアリングのフィードバックもよく、感覚はシャープだ。以前運転した初期型モデルではパワーステアリングのアシストの変動幅がやたら極端だったが、この点は2013年モデルでは克服されているように感じられた。

ここで1つ疑問が生じる。マキシマはフルサイズセダンよりもむしろ、アキュラ・TLやレクサス・ES、ビュイック・ラクロスなどといったミドルサイズ高級セダンと競合するといえるだろうか。結論を言えば、それは購入者次第だ。ドライバビリティに関して言えば、マキシマはTLとは互角に争え、ESやラクロスはその面ではこれら2台に劣っている。ただ、マキシマのEPA基準の燃費はシティ/ハイウェイ/複合燃費で8.1km/L/11.1km/L/9.4km/Lと、これらのモデルの中でも最も悪い。それに、他のほとんどのモデルがレギュラー仕様である中で、マキシマはハイオク仕様車だ。

3.5SVには19インチアルミホイールとP245/40R19のオールシーズンタイヤもしくはハイパフォーマンスサマータイヤ、スポーツチューンドサスペンションが含まれるスポーツパッケージが設定されるが、今回の試乗車にはそれは付いていなかった。ハイパフォーマンスタイヤをつければグリップが増すことは明らかだし、スポーツサスペンションも走りに貢献することだろう。非スポーツパッケージに装着される18インチホイールやノーマルサスペンションでも比較的硬い。路面の凹凸をいなす車がほしいなら、クライスラー・300やダッジ・チャージャー、シボレー・インパラを選んだほうがいいだろう。あるいは、前述したようなミドルサイズ高級セダンを選ぶべきだ。ただ、路面の凹凸を超えるとマキシマにはショックがあるが、それはうまく制御された悪くない類の衝撃だ。サスペンションがうまく制御できていないトヨタ・アバロンや足が硬すぎるヒュンダイ・アゼーラに比べれば酷くない。


室内空間
他の問題は室内空間やトランクの広さだ。ミドルサイズ高級車とは同列に争うことができるが、他のフルサイズセダンと比べれば劣ってしまう。ただ、2,713Lの居住スペースは他のフルサイズセダンには劣るものの、フロントシートにもリアシートにも十分なスペースはある。ただ、足をゆったり伸ばして座りたいのであればトヨタ・アバロンやヒュンダイ・アゼーラ、キア・カデンツァなどを選ぶべきだろう。他には、フォード・トーラスはリアシートは狭いが、シートポジションが高いため足元のスペースは広い。

また、トーラスはトランクスペースがマキシマよりも42%大きい。トーラスのトランクスペースは569Lとセダンの中でも最高クラスで、一方のマキシマは402Lと、シボレー・インパラ(532L)やダッジ・チャージャー(467L)、クライスラー・300およびヒュンダイ・アゼーラ(いずれも462L)、トヨタ・アバロン(453L)のいずれにも劣る。アキュラ・TLやビュイック・ラクロス、レクサス・ESとは互角だが、TLとラクロスのトランクは驚くほど狭い。

interior

マキシマは高級車の領域に確かに足を踏み入れたと言える。ウインドウピラーはファブリック素材だし、ダッシュボードの質感も高く、アームレストは快適だ。ただそれもこの車が登場した2008年頃の話だ。今や競合車も追い付いてきており、マキシマには古さも感じられる。試乗車のマキシマのナビゲーションには実用的なボタンが沢山付いていたが、グラフィックスの面では時代遅れだった。パワーウインドウスイッチは旧来的だし、シフトレバーはPからDまでやたら引っかかりを感じる。


安全性・装備・価格
IIHSの安全性評価では、前面および側面衝突では最高評価の「Good(優)」を得ており、屋根強度は優から1つ下がった「Acceptable(良)」の評価を得ている。また、IIHSが新たに導入したスモールオーバーラップ前面衝突試験では、他の多くの新型モデルが低評価を得ている中でマキシマは良の評価を得ている。

標準装備される安全装備としては、6エアバッグ、ABS、スタビリティコントロールなどがあるが、最近になって多くのライバル車たちが装備し始めている車線逸脱警報や死角警報、前方衝突警報などは設定されない。

マキシマ3.5Sは約32,000ドルとなり、前席パワーシート、サンルーフ、デュアルゾーンエアコン、プッシュエンジンスターター付インテリジェントキー、Bluetoothハンズフリーフォンなどが装備される。他にもヒーター付レザーシート、ステアリングヒーター、運転席ベンチレーテッドシート、パノラミックルーフ、ナビゲーションシステム、バックカメラ、BOSEオーディオシステムなどがオプションとして設定されている。USB/iPod接続端子やBluetoothオーディオストリーミングといった、他のライバルの多くが標準設定しているものもマキシマではオプションとなってしまう。

メーカーオプションを満載にした上級グレードの3.5SVは39,000ドル程度となる。これはTLやラクロス、ES350などとも競争力を持つ価格だ。


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マキシマは2010年に年間販売台数60,500台を記録したが、それをピークとして、2013年上半期の販売台数は23,675台に留まっている。これはフルサイズセダンの中でも売れていない部類に入る。マキシマは従来的なフルサイズセダンと比べるとどうしても小さく感じられ、かといってミドルサイズ高級セダンに質感で敵うかと言われればそこまでではない。ただこの車には切り札がある。運転する楽しさだ。近いうちにモデルチェンジすることはほとんど確実だろうし、おそらく日産はこの強みを新型モデルでも残すことだろう。


2013 Nissan Maxima