ルノーの5人乗りMPVであるセニックは現在日本では販売されていませんが、2013年にはクロスオーバーSUV風のエクステリアとしたセニックXMODが追加されました。

今回は英国「CAR Magazine」によるルノー・セニックXMODの試乗レポートを日本語で紹介します。


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モダンで素晴らしいデザインを備えたルノー・セニックというMPVの登場は2009年まで遡る。ところが、1990年代中盤からイギリスで人気のあったコンパクトMPVというジャンルは廃れ始め、セニックの販売も成功とはいえなかった。ファミリーユーザーたちはこぞってずんぐりとしたMPVに乗るのをやめ、フォード・クーガや日産・キャシュカイ、ホンダ・CR-Vなどといったより荒々しいデザインのクロスオーバーSUVへと乗り換えていった。

ルノーは現在、クロスオーバーSUVであるルノー・キャプチャーの発売によって失われた時間を取り戻している。そして今回紹介するフェイクオフローダーのセニックXMODはそれに続くモデルだ。XMODはクロスオーバーSUV的な見た目を持ちながら、安全で実用的なファミリートランスポーターというセニックの性格はそのまま残されている。

では、セニックXMODは真っ当なオフローダーといえるだろうか。そんなはずがない。樹脂製の部品やサイドシルガード、メッキルーフバーなどが装備されてはいるものの、地上高はベースモデルから1mmたりとも変わっていないし、4WDの設定もない。となれば、MOD(イギリス国防省)がXMODを使う、なんてこともないだろう。

XMODには、プジョーの「グリップコントロール」にも似た「グリップエクステンド」というシステムが採用されている。ただ、プジョーには5つのモードがあるのに対して、XMODのグリップエクステンドには「Road」、「Loose Ground」、「Expert」の3モードしかない。モードはダッシュボードのダイヤルで選択することができる。このシステムはスロットルの反応性やトラクションコントロールのセッティングを制御し、この車をエセオフローダーと馬鹿にしたところで、実際のところは砂利道や轍のできたダートで走行すればこのシステムがちゃんと働いていることが分かる。

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今回の試乗車には最高出力115PS、最大トルク19.4kgf·mを発揮する1.2Lガソリンターボエンジンが搭載されていた。6速MTは正確さに欠けており、このため元気がないように感じられた。132PSのモデルもあるが、こちらもかろうじてこれよりも速いと感じる程度だ。ルノーによるとこの車の燃費は19.7km/Lらしいが、今回の試乗では14.8km/Lを記録した。

なので、1.5Lディーゼルの方を薦めたい。こちらの方がパワフルだし、燃費は29.3km/Lで、税金も安いのでより経済的だ。ディーゼルの方がフロントヘヴィーになりそうだが、ガソリンモデル自体、軽いながらも応答性が低く、ステアリングはフィードバックに欠けていたので、せめてパワフルなディーゼルを選ぶべきだろう。

とはいえ、この車は非常に実用的だ。荷室スペースは470Lで、最大で1,870Lまで広がる(キャシュカイは超えるが、シトロエン・C4ピカソには劣る)し、室内は頑丈で、「動く子供部屋」にもなりそうだ。センターにデジタルメーターが配されているC4ピカソと比べると先進性の面では見劣りするし、驚きを感じるような要素もないが、それでも従来的な内装は実用性の面では有利だ。

もしデザイン優先のルノー・キャプチャーよりも真っ当なMPVがいいのなら、XMODにするかどうかはともかく、セニックは(流行遅れかも知れないが)検討に値するモデルだろう。ただ、新型C4ピカソは独創的なスタイリングと広い室内空間を両立しており、手強いライバルになることだろう。


Renault Scenic XMOD (2014) CAR review