韓国の自動車メーカーとしてはヒュンダイやキア、あるいは韓国GM(旧GM大宇)などがそれなりに知られていますが、それ以外にもルノー傘下のルノーサムスンやサンヨンといったメーカーもあります。
今回は、英国「Auto Express」によるサンヨンのコンパクトクロスオーバーSUV、チボリの試乗レポートを日本語で紹介します。

サンヨンはイギリス国内ではあまり親しみのあるブランドではない。韓国車もレーダーの範疇に収めている人はこのブランドを低価格の4WDやMPVを販売するメーカーとして知っているかもしれないし、そのスタイリングは良く言えば挑戦的とも言える。
サンヨンは方向性をわずかに変え、イギリス国内でより多くの人々に知ってもらうような試みを始めた。それが新型車のチボリだ。
チボリはサンヨンの新しいSUVではあるが、オフロードカーではない。この車はコンパクトクロスオーバーSUVで、日産・ジュークやプジョー・2008、ルノー・キャプチャーといった車に対抗するモデルだ。サンヨンは親会社であるインドのコングロマリットのマヒンドラから2億1,200万ポンドという投資を受けて新たなプラットフォームやエンジンを開発し、デザインや技術、魅力、そして価格の面おいて真剣に検討されている。
では、サンヨン・チボリは現在急成長しているコンパクトクロスオーバーSUVというジャンルにおいて成功することができるのだろうか。チボリには1.6Lのガソリンとディーゼルが、ATとMT、そしてFFと4WDで設定されており、モデルラインアップとしては十分な競争力がある。
4WDモデルやディーゼルモデルは2015年末頃に英国に投入される予定なので、今回は2015年夏に発売が予定されている1.6LのガソリンFFモデルに試乗した。126PSを発揮するガソリンエンジンにより、0-100km/h加速は12秒を記録し、ディーゼルモデルはこれよりもわずか0.3秒遅いだけだ。複合燃費はMTで18.7km/L、ATで16.7km/Lとなり、これはダウンサイジングターボを採用しているモデルには少し劣る数字だ。
ファーストインプレッションは良かった。サンヨンは奇抜な韓国車的デザインを捨て、チボリには欧州車的でありながらそれでも個性が残された「ネイチャーボーン3モーション」という独自のデザイン言語を取り入れている。内装の質感は所々に残念な部分はあるものの、高精細7インチナビゲーションが上級グレードに装備されたり、カラーバリエーション豊かな魅力的なダッシュボード(写真の赤いインテリアは実物では写真ほど派手ではない)であったりと内装にはモダンさがある。内外装はライバルと比べても十分競争力があるように思える。

実用性の面でもこだわられており、室内空間はクラスの中でも広い部類に入る。クロスオーバーSUVの中には個性的なエクステリアデザインの代償が室内空間に及んでいるモデルもあるが、この車はリアシートに身長180cmの大人が乗っても十分なヘッドルームやレッグルームがある。リアシートの後ろには423Lというクラス最大の荷室スペースが広がっており、室内には他にも様々な収納スペースが備わっている。
今回は限られた時間で、テストコースと韓国の混んだ道路だけでの試乗となったが、この車の十分な仕上がりや落ち着きのあるコーナリング性能を知るには十分だった。スマートステアシステムによりパワーステアリングのセッティングをスポーツ、ノーマル、コンフォートの3つから選択できるのだが、これは過剰に思える。いつもノーマルモードで走るのが一番いい。とはいえ、どのモードでも取り回ししやすく、俊敏な印象だった。
ガソリンエンジンは特に素晴らしいとは思えず、パフォーマンスは十分だが高回転域ではうるさい。高速道路では6速マニュアルトランスミッションを6速に入れることで回転数を低くすることができたが、このトランスミッションも他のライバルと比べて素晴らしいセッティングとはいえない。6速ATはスムーズだったが、加速を要するときにキックダウンするのは遅かった。
さらに問題なのが乗り心地で、この車にはあまり落ち着きがない。とはいえ、路面の衝撃による揺れは大した問題ではない。そうはいっても最終的な結論はイギリスの道路で試乗するまで保留としておきたいが、おおまかに言えばチボリは「素晴らしい」というよりは「悪くない」程度の車のように思える。
イギリス国内での価格やグレード構成は未だに発表されてはいないが、ベースグレードは13,000ポンドを下回る価格で、最上級グレードでは20,000ポンド程度になると推測される。サンヨンの距離無制限の5年保証も魅力的だ。
上級グレードには18インチホイールやレザーシート、7インチのTomTomナビゲーションシステムが装着され、屋根をボディとは別のカラーにできるパーソナライズオプションも設定される。前後のシートヒーターやステアリングヒーター、バックカメラ、アイドリングストップシステム(MT車に設定)なども選択できる。
サンヨンはチボリをヨーロッパで売れているライバルたちと同じ土俵で戦えるモデルとしたいようで、この車には豊富な装備や保証が備わっている。この車は広いし、それほど安っぽくも感じない。乗り心地やエンジンが改善されれば、きっともっと良くなることだろう。
SsangYong Tivoli 1.6 petrol review
今回は、英国「Auto Express」によるサンヨンのコンパクトクロスオーバーSUV、チボリの試乗レポートを日本語で紹介します。

サンヨンはイギリス国内ではあまり親しみのあるブランドではない。韓国車もレーダーの範疇に収めている人はこのブランドを低価格の4WDやMPVを販売するメーカーとして知っているかもしれないし、そのスタイリングは良く言えば挑戦的とも言える。
サンヨンは方向性をわずかに変え、イギリス国内でより多くの人々に知ってもらうような試みを始めた。それが新型車のチボリだ。
チボリはサンヨンの新しいSUVではあるが、オフロードカーではない。この車はコンパクトクロスオーバーSUVで、日産・ジュークやプジョー・2008、ルノー・キャプチャーといった車に対抗するモデルだ。サンヨンは親会社であるインドのコングロマリットのマヒンドラから2億1,200万ポンドという投資を受けて新たなプラットフォームやエンジンを開発し、デザインや技術、魅力、そして価格の面おいて真剣に検討されている。
では、サンヨン・チボリは現在急成長しているコンパクトクロスオーバーSUVというジャンルにおいて成功することができるのだろうか。チボリには1.6Lのガソリンとディーゼルが、ATとMT、そしてFFと4WDで設定されており、モデルラインアップとしては十分な競争力がある。
4WDモデルやディーゼルモデルは2015年末頃に英国に投入される予定なので、今回は2015年夏に発売が予定されている1.6LのガソリンFFモデルに試乗した。126PSを発揮するガソリンエンジンにより、0-100km/h加速は12秒を記録し、ディーゼルモデルはこれよりもわずか0.3秒遅いだけだ。複合燃費はMTで18.7km/L、ATで16.7km/Lとなり、これはダウンサイジングターボを採用しているモデルには少し劣る数字だ。
ファーストインプレッションは良かった。サンヨンは奇抜な韓国車的デザインを捨て、チボリには欧州車的でありながらそれでも個性が残された「ネイチャーボーン3モーション」という独自のデザイン言語を取り入れている。内装の質感は所々に残念な部分はあるものの、高精細7インチナビゲーションが上級グレードに装備されたり、カラーバリエーション豊かな魅力的なダッシュボード(写真の赤いインテリアは実物では写真ほど派手ではない)であったりと内装にはモダンさがある。内外装はライバルと比べても十分競争力があるように思える。

実用性の面でもこだわられており、室内空間はクラスの中でも広い部類に入る。クロスオーバーSUVの中には個性的なエクステリアデザインの代償が室内空間に及んでいるモデルもあるが、この車はリアシートに身長180cmの大人が乗っても十分なヘッドルームやレッグルームがある。リアシートの後ろには423Lというクラス最大の荷室スペースが広がっており、室内には他にも様々な収納スペースが備わっている。
今回は限られた時間で、テストコースと韓国の混んだ道路だけでの試乗となったが、この車の十分な仕上がりや落ち着きのあるコーナリング性能を知るには十分だった。スマートステアシステムによりパワーステアリングのセッティングをスポーツ、ノーマル、コンフォートの3つから選択できるのだが、これは過剰に思える。いつもノーマルモードで走るのが一番いい。とはいえ、どのモードでも取り回ししやすく、俊敏な印象だった。
ガソリンエンジンは特に素晴らしいとは思えず、パフォーマンスは十分だが高回転域ではうるさい。高速道路では6速マニュアルトランスミッションを6速に入れることで回転数を低くすることができたが、このトランスミッションも他のライバルと比べて素晴らしいセッティングとはいえない。6速ATはスムーズだったが、加速を要するときにキックダウンするのは遅かった。
さらに問題なのが乗り心地で、この車にはあまり落ち着きがない。とはいえ、路面の衝撃による揺れは大した問題ではない。そうはいっても最終的な結論はイギリスの道路で試乗するまで保留としておきたいが、おおまかに言えばチボリは「素晴らしい」というよりは「悪くない」程度の車のように思える。
イギリス国内での価格やグレード構成は未だに発表されてはいないが、ベースグレードは13,000ポンドを下回る価格で、最上級グレードでは20,000ポンド程度になると推測される。サンヨンの距離無制限の5年保証も魅力的だ。
上級グレードには18インチホイールやレザーシート、7インチのTomTomナビゲーションシステムが装着され、屋根をボディとは別のカラーにできるパーソナライズオプションも設定される。前後のシートヒーターやステアリングヒーター、バックカメラ、アイドリングストップシステム(MT車に設定)なども選択できる。
サンヨンはチボリをヨーロッパで売れているライバルたちと同じ土俵で戦えるモデルとしたいようで、この車には豊富な装備や保証が備わっている。この車は広いし、それほど安っぽくも感じない。乗り心地やエンジンが改善されれば、きっともっと良くなることだろう。
SsangYong Tivoli 1.6 petrol review