オペル・コルサ(イギリスではヴォクスホールブランドで販売)は、日本ではかつてオペル・ヴィータの名称で販売されていましたが、オペルブランドの日本撤退により4代目のコルサD以降は日本では販売されていません。
2014年にコルサが5代目コルサEにフルモデルチェンジしました。フルモデルチェンジと言っても、4代目から多くの部分がキャリーオーバーされた、実質マイナーチェンジと言ってもいいモデルです。
今回は、英国「Auto Express」によるヴォクスホール・コルサの試乗レポートを日本語で紹介します。

ヴォクスホール・コルサは販売台数は多かったが従来モデルには問題点が見えていた。デザインは古臭くなっていたし、走りにも問題があり、内装の質感は安っぽかった。ただ、ヴォクスホールは、このイギリスで一番売れているこのモデルに対し、新型には再びスポットライトを浴びるような実力があると自信を持っているようだ。
では、 何が変わったのだろうか。エンジンラインアップは刷新され、サスペンションが変更され、内装は質感が大幅に向上している。ただ、基本的構造は先代モデルのキャリーオーバーで、ボディサイズもほとんど同じだ。
コルサのフロントフェイスにはアダムのイメージが取り入れられており、ヘッドランプは小粋なデザインで、フロントグリルは大口を開けるような形状で、細部にはメッキパーツが充てがわれている。Aピラーよりも後方のサイドラインはシャープになっているが、全体的には従来モデルとさほど変わらない印象を受ける。事実、Aピラー、Bピラー、Cピラーは形状・位置ともに変わっていない。
快適性、安全性、経済性に関しては、劇的に改善されている。新しい3気筒1.0Lターボエンジンを搭載するモデルはEcoBoostエンジンを搭載するフォード・フィエスタとも対等に戦える。このエンジンには90PSと115PSの2種類のチューニングがあり、今回試乗したのはよりパワフルな後者だ。
コンパクトカーの中でも優秀なフィエスタEcoBoostに対抗するためには、燃費性能と高く洗練されたパフォーマンスを両立する必要があるが、コルサに搭載される3気筒ターボはその条件を満たしている。
運転してまず気付くのは、このエンジンが静かで洗練されているという点だ。回転は元気よく上がっていき、高回転域でもエンジンノイズはキャビンにはそれほど伝わってこない。パワーは十分で、5速で50km/hからアクセルを踏んでもはっきりと加速感を得られる。さらに、がばがばで変速ショックの大きかった従来のトランスミッションに代わり、よりショートストロークのかちっとした6速MTが1.0Lモデルに組み合わせられる。
このエンジンは、コルサに搭載されるエンジンの中で最も小排気量だが、一方で最も速いエンジンでもある。ヴォクスホールによると、115PSのモデルは0-100km/h加速が10.4秒で、燃費性能は24.5km/Lとなる。ただ、これでも125PSのフィエスタ1.0 EcoBoostには劣る。フィエスタは0-100km/h加速でコルサよりもちょうど1秒速い9.4秒をマークし、燃費は3.4km/L優れた27.9km/Lとなる。
また、フィエスタはCO2排出量が99g/kmとなり、100g/kmを切るためイギリスの道路税が免除される。一方で、コルサのCO2排出量は115g/kmだ。
ただ、もしランニングコストにこだわるのであれば、37.4km/Lの燃費とCO2排出量85g/kmを達成している1.3Lディーゼルのコルサを選ぶこともできるが、ディーゼルで同等の装備を備えたモデルは420ポンド高くなり、またエンジンの洗練度合いではガソリンモデルに劣るため、我々はガソリンモデルを推したい。
新型コルサでは、他にもサスペンションのセッティングが刷新されている。従来モデルではどちらかと言えば跳ねるし不寛容な印象だったが、新型ではかなり素直で柔軟なサスペンションになっている。さすがに、フォルクスワーゲン・ポロほど成熟しているとまでは言えないが、それでもポロに近づいている。
重心がわずかに低くなり、またサブフレームが強化されたため、操作性が向上し、新開発の車速感応式ステアリングのおかげで従来よりも俊敏で反応性も高いと感じる。ただ、使いやすさを主眼に置いて設計されているため、わずかに曖昧さを残し、フィエスタのダイレクトなセッティングやシャープなシャシには大きく後れを取っている。

ただ、内装の質感や装備の面ではフィエスタにも勝る。エクステリア同様、インテリアも基本的にアダムのデザインが継承されており、十分な質感・高級感がある。今回試乗した「Excite」以上のグレードには7インチのカラータッチスクリーンが装備され、スマートフォンのナビと連動させることもできる。
今回試乗した「Excite」が最量販グレードとなると想定されている。事実、エアコンや16インチアルミホイール、Bluetooth、シートヒーター、本革ステアリング、オートライト、雨滴感知式ワイパーなどの必要な装備は揃っている。
基本的なデザインは先代モデルと変わっていないが、新型では5人の乗客を快適に不満なく移動させることができる。ヘッドルームやニールームは十分にあり、フィエスタよりも後部座席のスペースは広い。一方で285Lという荷室容量は先代モデルから不変で、フィエスタにはわずかに劣る。
ただ、何よりも消費者の注目を集めるのは価格だろう。大幅に改善されているにもかかわらず、値段は下げられている。エントリーグレードは8,995ポンドとなり、実にお買い得に思える。さらに、今回試乗した1.0Lエンジンを搭載する「Excite」は、フィエスタの同等のグレードよりも1,350ポンドも安い。
新型コルサは一度運転してみればずいぶん良くなったことが分かる。新しい1.0Lエンジンはずいぶんと楽しく、車の仕上がりや快適性、質感の面で大きく進歩している。ポロには依然劣るし、運転するならフィエスタの方がいいが、低い価格設定は大きなアドバンテージで、きっと新しいコルサも大いに売れることだろう。
Vauxhall Corsa 2015 review
2014年にコルサが5代目コルサEにフルモデルチェンジしました。フルモデルチェンジと言っても、4代目から多くの部分がキャリーオーバーされた、実質マイナーチェンジと言ってもいいモデルです。
今回は、英国「Auto Express」によるヴォクスホール・コルサの試乗レポートを日本語で紹介します。

ヴォクスホール・コルサは販売台数は多かったが従来モデルには問題点が見えていた。デザインは古臭くなっていたし、走りにも問題があり、内装の質感は安っぽかった。ただ、ヴォクスホールは、このイギリスで一番売れているこのモデルに対し、新型には再びスポットライトを浴びるような実力があると自信を持っているようだ。
では、 何が変わったのだろうか。エンジンラインアップは刷新され、サスペンションが変更され、内装は質感が大幅に向上している。ただ、基本的構造は先代モデルのキャリーオーバーで、ボディサイズもほとんど同じだ。
コルサのフロントフェイスにはアダムのイメージが取り入れられており、ヘッドランプは小粋なデザインで、フロントグリルは大口を開けるような形状で、細部にはメッキパーツが充てがわれている。Aピラーよりも後方のサイドラインはシャープになっているが、全体的には従来モデルとさほど変わらない印象を受ける。事実、Aピラー、Bピラー、Cピラーは形状・位置ともに変わっていない。
快適性、安全性、経済性に関しては、劇的に改善されている。新しい3気筒1.0Lターボエンジンを搭載するモデルはEcoBoostエンジンを搭載するフォード・フィエスタとも対等に戦える。このエンジンには90PSと115PSの2種類のチューニングがあり、今回試乗したのはよりパワフルな後者だ。
コンパクトカーの中でも優秀なフィエスタEcoBoostに対抗するためには、燃費性能と高く洗練されたパフォーマンスを両立する必要があるが、コルサに搭載される3気筒ターボはその条件を満たしている。
運転してまず気付くのは、このエンジンが静かで洗練されているという点だ。回転は元気よく上がっていき、高回転域でもエンジンノイズはキャビンにはそれほど伝わってこない。パワーは十分で、5速で50km/hからアクセルを踏んでもはっきりと加速感を得られる。さらに、がばがばで変速ショックの大きかった従来のトランスミッションに代わり、よりショートストロークのかちっとした6速MTが1.0Lモデルに組み合わせられる。
このエンジンは、コルサに搭載されるエンジンの中で最も小排気量だが、一方で最も速いエンジンでもある。ヴォクスホールによると、115PSのモデルは0-100km/h加速が10.4秒で、燃費性能は24.5km/Lとなる。ただ、これでも125PSのフィエスタ1.0 EcoBoostには劣る。フィエスタは0-100km/h加速でコルサよりもちょうど1秒速い9.4秒をマークし、燃費は3.4km/L優れた27.9km/Lとなる。
また、フィエスタはCO2排出量が99g/kmとなり、100g/kmを切るためイギリスの道路税が免除される。一方で、コルサのCO2排出量は115g/kmだ。
ただ、もしランニングコストにこだわるのであれば、37.4km/Lの燃費とCO2排出量85g/kmを達成している1.3Lディーゼルのコルサを選ぶこともできるが、ディーゼルで同等の装備を備えたモデルは420ポンド高くなり、またエンジンの洗練度合いではガソリンモデルに劣るため、我々はガソリンモデルを推したい。
新型コルサでは、他にもサスペンションのセッティングが刷新されている。従来モデルではどちらかと言えば跳ねるし不寛容な印象だったが、新型ではかなり素直で柔軟なサスペンションになっている。さすがに、フォルクスワーゲン・ポロほど成熟しているとまでは言えないが、それでもポロに近づいている。
重心がわずかに低くなり、またサブフレームが強化されたため、操作性が向上し、新開発の車速感応式ステアリングのおかげで従来よりも俊敏で反応性も高いと感じる。ただ、使いやすさを主眼に置いて設計されているため、わずかに曖昧さを残し、フィエスタのダイレクトなセッティングやシャープなシャシには大きく後れを取っている。

ただ、内装の質感や装備の面ではフィエスタにも勝る。エクステリア同様、インテリアも基本的にアダムのデザインが継承されており、十分な質感・高級感がある。今回試乗した「Excite」以上のグレードには7インチのカラータッチスクリーンが装備され、スマートフォンのナビと連動させることもできる。
今回試乗した「Excite」が最量販グレードとなると想定されている。事実、エアコンや16インチアルミホイール、Bluetooth、シートヒーター、本革ステアリング、オートライト、雨滴感知式ワイパーなどの必要な装備は揃っている。
基本的なデザインは先代モデルと変わっていないが、新型では5人の乗客を快適に不満なく移動させることができる。ヘッドルームやニールームは十分にあり、フィエスタよりも後部座席のスペースは広い。一方で285Lという荷室容量は先代モデルから不変で、フィエスタにはわずかに劣る。
ただ、何よりも消費者の注目を集めるのは価格だろう。大幅に改善されているにもかかわらず、値段は下げられている。エントリーグレードは8,995ポンドとなり、実にお買い得に思える。さらに、今回試乗した1.0Lエンジンを搭載する「Excite」は、フィエスタの同等のグレードよりも1,350ポンドも安い。
新型コルサは一度運転してみればずいぶん良くなったことが分かる。新しい1.0Lエンジンはずいぶんと楽しく、車の仕上がりや快適性、質感の面で大きく進歩している。ポロには依然劣るし、運転するならフィエスタの方がいいが、低い価格設定は大きなアドバンテージで、きっと新しいコルサも大いに売れることだろう。
Vauxhall Corsa 2015 review