セアト・イビーサはフォルクスワーゲン・ポロやアウディ・A1などと同じくフォルクスワーゲングループのPQ25プラットフォームを採用するBセグメントハッチバックです。

今回は、イビーサのハイパフォーマンスモデルであるイビーサクプラの、英国「Auto Express」による試乗レポートを日本語で紹介します。


Ibiza

セアト・イビーサは2012年にマイナーチェンジを受けているが、クプラに関してはこれまで変更されていなかった。しかし、2013年になって大幅な改良を受けた。今年はフォード・フィエスタSTが改良を受け、ルノースポール・クリオが新型となる見込みがあり、それに対応するために今回の改良が施されている。

もともとイビーサクプラは格好良く、競争力は十二分にあったのだが、フェイスリフトを受けたモデルはさらに格好良くなっている。フロントフェイスは全面的に変更され、新たにLEDデイライト付きのバイキセノンヘッドランプが装備された。また、テールランプも変更されている。

パワーソースは変わらず180PSの1.4LツインチャージャーTSIエンジンだが、ECUの変更により0-100km/h加速は0.3秒短縮し、次期型フォード・フィエスタSTと全く同じ6.9秒となっている。

また、驚くべきことにECUの変更により燃費性能も8%向上して20.4km/Lとなっており、CO2排出量も9g/km減少して139g/kmとなっている。

走行性能に関連する変更は少なく、サスペンションチューニングが快適性向上のためにいくらか変更された程度だ。ただ、この変更の効果ははっきりと実感でき、特に舗装の悪い道では明らかに乗り心地が向上していた。路面の凹凸はドシンという音としては実感できるが、車内に振動として伝わってくる衝撃は少ない。

ロールはほとんど発生せず、ステアリングもクイックなため、ハンドリングは実に素晴らしく、コーナーをどんどんと攻めることができる。グリップもよく、電子制御式ディファレンシャルのXDSの効果によりアンダーステアも排除されている。ただ、ステアリングは軽すぎるように感じられるし、フィードバックももう少し欲しいところだ。

1.4LのTSIエンジンはどんな状況下でも素晴らしく、低回転でもトルクが十分にあるので街乗りにも使いやすく、高回転まで回せばパワフルだ。また、エグゾーストノートからの低い唸りにターボチャージャーのウェイストゲート音があいまった音も素晴らしい。

今回の試乗車には1,000ポンドのオプションである大径レーシングブレーキが装着されており、これによって制動力やペダルフィールが向上していたが、標準装備されるブレーキでもなんの問題もない。

7速DSGは相変わらず素晴らしく、混雑時や街中では特に使いやすい。マニュアルには車との一体感という面では敵わないが、ペダルシフトによるマニュアル変速も可能で、マニュアルに近い操作感を得ることもできる。

interior

インテリアにもいくらか改良がされており、センターコンソールのデザインは変更されている。また、シフトレバー周辺やドアハンドル、ステアリング周辺はグロスブラック塗装のフィニッシャーが配され、高級感が演出されている。

クライメートコントロールやクルーズコントロール、Bluetooth接続可能なタッチスクリーンカーナビを含むセアトポータブルシステムなどが標準装備されており、装備内容は充実している。

イビーサクプラは18,570ポンドで、これはフィエスタST-2よりもおよそ600ポンド高額だ。クプラの方が装備面では充実しているが、それでもフィエスタに分があるし、新型ルノースポール・クリオの方がより楽しい車と言えよう。


新型イビーサクプラはいくらか改善が施された。走行性能を改善しただけでなく、ランニングコストや快適性も向上している。内外装の変更により高級感も増しているし、充実した装備により18,570ポンドという価格も高くはない。ただ、フォーカスSTよりも高価であることがこの車の課題だろう。


SEAT Ibiza Cupra review