韓国の自動車メーカーの1つに、ルノー傘下のルノーサムスンがあります。このルノーサムスンが設計・製造するミドルクラスセダン「SM5」は、ロシアや中国、オーストラリア、ヨーロッパなどではルノーブランドで「ラティチュード」として販売されています。

今回は、豪州「CarAdvice」による、Made in Koreaのフランス車「ラティチュード」の試乗レポートを日本語で紹介します。


Latitude

フランス車らしいデザインとはまた違うものの、この車のデザインはなかなか良い。この車は韓国のルノーサムスンにより製造されているのだが、車に乗り込み、レザーシートに腰を落ち着けると、確かにヨーロピアンテイストな感覚を感じることができる。

従来型のルノー・メガーヌセダンのような独特のデザインとは違い、この最新のフランスの大型セダンは、より控えめで、そしてより万人受けするだろう。

この車の魅力の1つが、ベースモデルから装備が充実しているということだ。キーレスエントリーにオーディオのBluetooth接続機能、ヒーター付フロントシート、電動ドアミラー、電動パーキングブレーキなど、豊富な装備が全グレードに標準装備される。

また、ベースモデルに5,000豪ドルほど上乗せすれば上級グレードの「Luxe」を購入することができ、このグレードには上乗せ分の価格以上の価値がある装備が付いている。BOSEサウンドシステムに有害物質センサー・活性炭フィルター付きの3ゾーンエアコン、それに運転席には長時間の運転の疲れを癒やす空気式の2モードマッサージシステムが付いている。

また、種々の充実した装備に加え、室内に用いられている素材の質感も高く、室内は実に居心地のいい場所になっている。シフトレバーには適度なメタル加飾が施されているのだが、これはフォルクスワーゲンやアウディのより上級なモデルを思い出させるものだ。

まずは、2.5Lのガソリンエンジンモデルに乗ってみる。実はこれ、EURO4規制に対応した日産のVQユニットだ。

最高出力は181PS、最大トルクは24.0kgf·mと平凡なスペックのため、パワフルだとは言えないが、それでもスムーズで洗練されている。また、この車はBMW 5シリーズよりもわずか2mm短いだけなのだが、これだけのボディサイズの車を十分に走らせることができている。

低回転でのトルクはあまりないので、追い越しなどの際にはアクセルを踏み込む必要があるが、ただ、感心したことに、アクセルを踏み込んでも室内にはエンジン音がそれほど侵入せず静かだった。

乗り心地とハンドリングはなかなかうまいバランスに仕上がっている。特に「Luxe」には18インチホイールが装着され、タイヤにはなんとコンチネンタルのContiSportContact 3が装着されているのだが、このおかげでウェット路面でもドライ路面でもグリップ性能は素晴らしい。

その上、かなり舗装の悪い道路で、例え110km/hの速度で走っても、乗り心地は快適で走りも安定していた。柔らかいというよりも柔軟という表現が適切な乗り味で、それでいて意のままのコーナリングが可能なだけの硬さがある、そんなサスペンションに仕上がっている。

ラティチュードはスポーツセダンとして開発されたわけではないのだが、運転感覚はそれなりにスポーティで、日本車や韓国車の競合モデルのうちいくらかには走行性能で勝っている。

私はガソリンモデルに装備されている電動可変ステアリングが特に気に入った。直線では十分な重さがあり、それでいて操作に対するレスポンスはクイックだ。それに、ステアリングは正確で、最近の車に見られるような曖昧な感覚はなく、思いのままのハンドリングが可能となっている。

ブレーキも、うまい具合に徐々に効いていくというフィーリングで非常に印象が良かった。EBD付きABSやエマージェンシーブレーキアシスト、それに急ブレーキ時にハザードを自動点灯するシステムなど、安全装備も十分だ。

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レザーシートはサポート性は高いが、高級車的というわけではなく、フォルクスワーゲン的な硬いシートだった。ただ、この車を200km運転したが、背中に優しいシートで、それにランバーサポートは素晴らしかった。

6速ATはスムーズだが、追い越し加速などの際にはマニュアルモードを使って高い回転数を使った方がいい。

これだけの車なので、1時間足らずの通勤に使ったり、休日に子供を連れて高速道路を運転するためだけに使うのはつまらないだろう。

パワーウインドウはワンタッチ操作が可能で、またリアサイドウインドウとリアウインドウには日光を遮るブラインドが装備されている。ヒーター付きの電動ドアミラーに加えて、冷却機能付きグローブボックスやオートライト、オートワイパー、専用設計のBOSE 10スピーカーオーディオなど、充実した装備が備えられている。

室内空間も広い。十分な幅があるため左右席に人が乗っても肘のスペースは十分にあるし、リアシートは今回の試乗ではそれほど長い時間乗ったわけではないが、レッグルームはミドルクラスセダンとしてはトップレベルなのではないかと感じた。

カーナビゲーションシステムは全グレードに標準装備され、モニターではエンジンオイルやタイヤ空気圧の情報も見ることができる。そのほか、バックカメラや前後のパーキングセンサーも装備される。

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続いて、4気筒2.0LのdCiと呼ばれるディーゼルモデルに乗ってみよう。このエンジンは最高出力が173PS、最大トルクが38.7kgf·mで、運転し始めて最初に抱いたのが、「これこそ私のための車だ」という感想だった。最大トルクはわずか2,000rpmで発揮され、超ロングトレーラーを追い越すのもよっぽど容易い。

ルノーがこの車のNVH性能に力を入れているのは明らかで、ガソリンV6モデルと比べれば劣ってしまうものの、それでも室内にはディーゼル車特有のガラガラ音はそれほど侵入してこない。

また、燃費は15.4km/Lとこのクラスとしては驚異的な数値で、必要とすれば十二分な加速が得られ、ファミリーユースにはぴったりだと思う。にもかかわらず、ルノー・オーストラリアは6:4の比率でガソリンモデルのほうが売れると予測しているようだ。

ディーゼルモデルの最大のプラスポイントはガソリンスタンドに寄る回数が少なくて済むことではなく、圧倒的なトルクによる運転のしやすさだ。この上、ルノーはガソリンモデルとディーゼルモデルを同じ値段で販売するというではないか。

ただし、乗り心地やハンドリングの面では、ディーゼルエンジンの重さというネガティブ面がフロント部分に感じられる。それに、ディーゼルモデルのパワーステアリングはセッティングがガソリンモデルほど正確ではない。ただ、そうは言っても違いはそれほど大きなものではないし、ディーゼルモデルの良さを相殺するほどでもない。

6速ATはガソリンモデル同様にスムーズだし、マニュアルモードを使えばワインディングロードでの運転も楽しめる。

さすがに、メガーヌR.S. 250くらい楽しいかと言われればそんなことはないが、値段に見合った価値のあるプレミアムな車を求める人達にとって、実に魅力的な車であることは間違いない。


Renault Latitude Review